種々の清掃法がチタン表面沈着物の除去効果と表面性状に及ぼす影響

本研究は, チタン表面に形成されたプラークを安全でかつ効果的に除去することのできる清掃法を確立することを目的とし, ラバーカップ, ポリッシングブラシに, 各種ポリッシングペースト, 浮石沫, 水をそれぞれ組み合わせた清掃法が, チタン表面に対してどのような影響を及ぼすのかについて比較検討した基礎的実験である。実験材料として, チタン99.5%以上のチタン板を実験に供試した。チタン表面に油性マジックを塗り, 各種清掃法でこれを除去した後の表面粗さを計測した。次に, チタン板を保持装置に固定し, 口腔内に装着しプラークを付着させた。このプラークを各種清掃法で除去し, 走査型電子顕微鏡を用いてチタ...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1996/12/28, Vol.38(4), pp.477-483
Hauptverfasser: 難波, 幸一, 織井, 弘道, 森谷, 良智, 内山, 寿夫, 吉沼, 直人, 伊藤, 公一, 村井, 正大
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は, チタン表面に形成されたプラークを安全でかつ効果的に除去することのできる清掃法を確立することを目的とし, ラバーカップ, ポリッシングブラシに, 各種ポリッシングペースト, 浮石沫, 水をそれぞれ組み合わせた清掃法が, チタン表面に対してどのような影響を及ぼすのかについて比較検討した基礎的実験である。実験材料として, チタン99.5%以上のチタン板を実験に供試した。チタン表面に油性マジックを塗り, 各種清掃法でこれを除去した後の表面粗さを計測した。次に, チタン板を保持装置に固定し, 口腔内に装着しプラークを付着させた。このプラークを各種清掃法で除去し, 走査型電子顕微鏡を用いてチタン表面性状およびプラークの除去状態を観察し, プラーク付着スコアで評価した。チタンの表面粗さは, 全ての清掃法とコントロールの間に統計学的に有意差は認められなかった。また, チタン表面性状およびプラークの除去状態は, 48時間口腔内に装着しプラークを蓄積したコントロールと比較し, 全ての組み合わせにおいて統計学的に有意差が認められた。この研究結果から各種清掃法は, 全ての組み合わせにおいてチタン表面性状を変えることなく短時間でプラーク除去が可能であり, またラバーカップよりもポリッシングブラシを使用した清掃法がプラーク除去効果の高いことが示された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.38.477