歯周組織の健康維持における歯肉の厚さと付着歯肉の幅の診査について
本研究では, 歯周組織の健康と歯肉の厚さや付着歯肉の幅に注目して, 歯肉の厚さを測定する方法について検策し, この方法を応用して測定した歯肉の厚さと付着歯肉の幅の診査の意義について検討を加えた。 まず, 超音波測定器 (SDM, Krupp社製) を用いて予備実験をおこなった。その結果, 超音波反射法による直径5mmの探触子を歯肉表面に直角になるように, できるだけ約1g以内の力 (測定圧5g/cm2未満) で接触させて歯肉の厚さを測定した場合, 測定誤差が少ないことがわかった。次に, 臨床的に健康な下顎犬歯, 小臼歯部頬側18部位の歯肉の厚さについてSDMの測定値と同一の部位の針による歯肉の...
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Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 1996/06/28, Vol.38(2), pp.176-186 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究では, 歯周組織の健康と歯肉の厚さや付着歯肉の幅に注目して, 歯肉の厚さを測定する方法について検策し, この方法を応用して測定した歯肉の厚さと付着歯肉の幅の診査の意義について検討を加えた。 まず, 超音波測定器 (SDM, Krupp社製) を用いて予備実験をおこなった。その結果, 超音波反射法による直径5mmの探触子を歯肉表面に直角になるように, できるだけ約1g以内の力 (測定圧5g/cm2未満) で接触させて歯肉の厚さを測定した場合, 測定誤差が少ないことがわかった。次に, 臨床的に健康な下顎犬歯, 小臼歯部頬側18部位の歯肉の厚さについてSDMの測定値と同一の部位の針による歯肉の厚さ (サウンディング法) の測定値を比較した。また, SDMが平均化して測定する直径約5mmの測定部位の5点の測定点の針による実測値の平均値と比較したが, SDMによる値と近似した値を示すことが判った。 次に, 健常者の犬歯, 小臼歯頬側60部位のSDM値による歯肉の厚さと同部位の付着歯肉の幅をノギスで測定した。この測定法を応用して, 遊離歯肉移植後1~18年のメインテナンス中の8名の患者の下顎犬歯, 小臼歯, 36部位を被験部位とし, 臨床的診査, 歯肉の厚さ, 付着歯肉の幅を測定したが, 歯肉の厚さおよび付着歯肉の幅は健常者と同程度に維持されていることがわかった。 以上のことから, 臨床的に歯周組織の診査を行う上で, ノギスを用いて付着歯肉の幅を測定, さらにSDMを用いて歯肉の厚さの測定する方法は, 歯肉の健康, 歯周治療後の歯肉の状態などを判定する上で, 簡便に応用できる診査法であると考えられた。 |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.38.176 |