辺縁性歯周炎の急性症状に対する塩酸ミノサイクリン含有局所投与薬剤の臨床的および細菌学的評価

本研究では, 歯周ポケット底部への到達性に優れ, 塩酸ミノサイクリンを含有し, 投与直後より徐々に局所で溶解するストリップスタイプの薬剤の歯周炎の急性症状に対する局所投与の臨床的・細菌学的研究を行った。対象とした患者は, 歯周病の急性症状を呈し, 全身的疾患を有さず過去3ケ月以内に抗生物質の投与を受けていない43名とした。43名全てに歯周炎局所由来の痛みを伴う発赤・腫脹または膿瘍形成が認められた。塩酸ミノサイクリン含有のストリップスを歯周ポケット底部にまで挿入した。ストリップスを挿入後, 0, 3, 7日後の臨床症状の変化を観察し, 細菌学的変化を0, 7日後に観察した。歯肉の発赤, 腫脹,...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1995/12/28, Vol.37(4), pp.725-736
Hauptverfasser: 野口, 俊英, 浅井, 昭博, 小出, 雅則, 酒井, 秀人, 森田, 佳宏, 森, 厚, 高田, 哲夫, 村瀬, 元康, 上田, 信男, 黒柳, 隆穂, 西山, 左枝子, 石川, 和弘, 石原, 裕一, 吉成, 伸夫, 稲垣, 幸司, 天埜, 克彦, 福田, 光男, 山田, 了, 中川, 種昭, 大島, みどり, 北村, 秀和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, 歯周ポケット底部への到達性に優れ, 塩酸ミノサイクリンを含有し, 投与直後より徐々に局所で溶解するストリップスタイプの薬剤の歯周炎の急性症状に対する局所投与の臨床的・細菌学的研究を行った。対象とした患者は, 歯周病の急性症状を呈し, 全身的疾患を有さず過去3ケ月以内に抗生物質の投与を受けていない43名とした。43名全てに歯周炎局所由来の痛みを伴う発赤・腫脹または膿瘍形成が認められた。塩酸ミノサイクリン含有のストリップスを歯周ポケット底部にまで挿入した。ストリップスを挿入後, 0, 3, 7日後の臨床症状の変化を観察し, 細菌学的変化を0, 7日後に観察した。歯肉の発赤, 腫脹, 疼痛, プロービング深さ (probing depth, PD), プロービング時出血 (bleeding on probing, BOP), 排膿 (suppuration, S), リンパ節所見および歯肉溝滲出液 (gingival crevicular fluid, GCF) 量の変化を記録した。黒色色素産生性グラム陰性嫌気性桿菌 (Black Pigmented Gram-Negative Anaerobic Rods, BPNAR) 数, 生菌数は非選択性血液平板培地で生育させて測定した。疼痛, 腫脹 (口腔内), BOPおよびSは, 薬剤投与後3日目および7日目で投与開始時に比較して有意に減少していた。さらに, PDおよびGCF量においても7日目において有意な減少が観察された。投与前に優勢であったBPNARの構成比率は投与開始直前と比較し, 7日後では明らかに減少していた。これらの結果から, 歯周ポケット内への塩酸ミノサイクリン含有ストリップスの局所投与は, 歯周炎の急性症状の改善に有効であることが示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.37.725