ヒト歯肉縁下プラークの研究: ヒト歯周ポケットにおける歯周病原性細菌の局在性

重度成人性歯周炎に罹患した歯とその周囲の歯周組織を, 患者の同意を得て, 可及的に歯周ポケットが再現できるよう一塊として慎重に採取した。得られた試料より連続薄切切片を作製し, Brown-Brenn染色および歯周病原性細菌を中心とした15種類のプラーク細菌種に対するウサギ抗血清を用いた免疫組織学的染色を施し, 光学顕微鏡にて観察することにより, 歯周ポケットにおける歯周病原性細菌の局在性を検索した。その結果, Porphymonas gingivalisは歯周ポケット全域で小集団を形成して散在性に点在しているのが観察され, その数は他の菌種に比べて多かった。Eikenella corroden...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1994/06/28, Vol.36(2), pp.429-436
Hauptverfasser: 野杁, 由一郎, 松尾, 敬志, 中江, 英明, 尾崎, 和美, 恵比須, 繁之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:重度成人性歯周炎に罹患した歯とその周囲の歯周組織を, 患者の同意を得て, 可及的に歯周ポケットが再現できるよう一塊として慎重に採取した。得られた試料より連続薄切切片を作製し, Brown-Brenn染色および歯周病原性細菌を中心とした15種類のプラーク細菌種に対するウサギ抗血清を用いた免疫組織学的染色を施し, 光学顕微鏡にて観察することにより, 歯周ポケットにおける歯周病原性細菌の局在性を検索した。その結果, Porphymonas gingivalisは歯周ポケット全域で小集団を形成して散在性に点在しているのが観察され, その数は他の菌種に比べて多かった。Eikenella corrodensは, 主にポケット中央部から深部において, 比較的歯根面に近接したところで小集団を形成し局在していた。Fusobacteriun nucleatumもまた, ポケット中央部から深部にかけて小集団を形成して局在していたが, その局在部位は主として非付着性プラーク領域であった。一方, Camlobacter rectusは, 主にポケット中央部付近において大きな集団を形成し, 歯根側および上皮側のいずれpのy 側からも検出された。Treponema denticolaは, 主としてポケット中央部付近において非付着性プラーク領域に局在していたが, その数は少なかった。 本研究により, これまで推察されていたことではあるが, 細菌種により歯周ポケット内での定着・増殖様式が異なることが, 実際に, 観察された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.36.429