1985年と1992年に実施した100歳以上高齢者歯科実態調査結果の比較

1985年に直接訪問して口腔内を診査, 問診して, 1992年にはアンケート方式で, それぞれ447名および1186名の日本全国100歳以上高齢者を対象に歯科実態調査をおこなった。本研究では, 得られた集計をもとに1985年と1992年のデータの比較分析をおこなった。 調査表の回収率は37.3%と54.4%で高率であった。有歯顎者の残存歯数は1992年にわずかに増加していた。残存歯は臼歯, または臼歯と前歯部に増えており, 咀嚼能率が向上していることが示唆された。一方, 義歯使用者も増加しているが, その義歯に満足している人は, 上顎, 下顎ともに約10%増えていた。すなわち義歯の不都合を訴え...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1993/12/28, Vol.35(4), pp.681-691
Hauptverfasser: 松江, 美代子, 田原, 洋, 鈴木, 明夫, 山口, 進也, 増永, 浩, 遠藤, 弘康, 松江, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1985年に直接訪問して口腔内を診査, 問診して, 1992年にはアンケート方式で, それぞれ447名および1186名の日本全国100歳以上高齢者を対象に歯科実態調査をおこなった。本研究では, 得られた集計をもとに1985年と1992年のデータの比較分析をおこなった。 調査表の回収率は37.3%と54.4%で高率であった。有歯顎者の残存歯数は1992年にわずかに増加していた。残存歯は臼歯, または臼歯と前歯部に増えており, 咀嚼能率が向上していることが示唆された。一方, 義歯使用者も増加しているが, その義歯に満足している人は, 上顎, 下顎ともに約10%増えていた。すなわち義歯の不都合を訴える人はわずかに減少していた。 また十分ではないが, 歯の清掃状況も改善されていた。 これらのことから, 1985年から1992年に歯科保健対策が講じられ, その効果が多少なりともあることが推定された。 以上の結果から, 高齢者社会にむけて, 高齢者のADL (activity of daily living) の向上をはかるために, さらに歯科医療の充実をはかることが重要であると考えられた。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.35.681