骨欠損への自己硬化型アパタイトセメントの応用

自己硬化型アパタイトセメントの骨補填材としての可能性を評価するために雑種成犬を用いて検討した。イヌ下顎骨に3カ所の骨窩洞を作製し, それぞれの窩洞に自己硬化型アパタイトセメント, 顆粒状Hydroxyapatiteを充填し, 残りの骨窩洞をコントロールとして未充填にした。1カ月, 2カ月後のコントロールを含む組織が, 光学顕微鏡下にて観察された。自己硬化型アパタイトセメントの周囲組織に目立った異物反応はほとんど観察されず, 線維性被膜の形成も観られなかった。2カ月後の所見において, セメント硬化体上に骨の新生が観察された。術後2カ月の骨再生の高さは, 顆粒状Hydroxyapatite群とコン...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1992/12/28, Vol.34(4), pp.863-870
Hauptverfasser: 金澤, 篤, 梶本, 忠保, 森本, 淳史, 小西, 美千佳, 小出, 修身, 白木, 雅文, 岩山, 幸雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:自己硬化型アパタイトセメントの骨補填材としての可能性を評価するために雑種成犬を用いて検討した。イヌ下顎骨に3カ所の骨窩洞を作製し, それぞれの窩洞に自己硬化型アパタイトセメント, 顆粒状Hydroxyapatiteを充填し, 残りの骨窩洞をコントロールとして未充填にした。1カ月, 2カ月後のコントロールを含む組織が, 光学顕微鏡下にて観察された。自己硬化型アパタイトセメントの周囲組織に目立った異物反応はほとんど観察されず, 線維性被膜の形成も観られなかった。2カ月後の所見において, セメント硬化体上に骨の新生が観察された。術後2カ月の骨再生の高さは, 顆粒状Hydroxyapatite群とコントロール群よりも自己硬化型アパタイトセメント群の方がより回復していた。これらの結果から, この自己硬化型アパタイトセメントは, 骨組織親和性と骨形成能を有しているだけでなく, 歯周疾患における複雑な骨欠損に対して容易に適応できることが示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.34.4_863