ラット歯周炎に対する免疫亢進及び抑制の効果

ワイヤー結紮で惹起したラット実験的歯周炎に対する, 薬剤による全身的免疫機能の抑制及び亢進の影響について検索した。 27匹の13週齢Wistar系ラットの上顎第2臼歯にワイヤー結紮し, 粉末飼料にて12週間飼育した。屠殺時に, 血液, 頸部リンパ節, 両側上顎骨を採取した。ラットは1) 免疫抑制群 (IS, n=10) : Cyclophosphamideを15mg/ kg/weekで12週間腹腔内注射2) 免疫亢進群 (IE, n=7) : Levamisoleを1mg/kg/weekで12週間腹腔内注射3) 未処置の対照群 (C, n=10) とした。その結果, ラット口腔細菌, E. c...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1988/09/28, Vol.30(3), pp.827-835
Hauptverfasser: 堀野, 一人, 三崎, 広樹, 大藤, 泰人, 山下, 薫, 吉江, 弘正, 原, 耕二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ワイヤー結紮で惹起したラット実験的歯周炎に対する, 薬剤による全身的免疫機能の抑制及び亢進の影響について検索した。 27匹の13週齢Wistar系ラットの上顎第2臼歯にワイヤー結紮し, 粉末飼料にて12週間飼育した。屠殺時に, 血液, 頸部リンパ節, 両側上顎骨を採取した。ラットは1) 免疫抑制群 (IS, n=10) : Cyclophosphamideを15mg/ kg/weekで12週間腹腔内注射2) 免疫亢進群 (IE, n=7) : Levamisoleを1mg/kg/weekで12週間腹腔内注射3) 未処置の対照群 (C, n=10) とした。その結果, ラット口腔細菌, E. coli LPSに対する血清IgG抗体価はIS群での減少傾向, IE群での増加傾向を示した。頸部リンパ節リンパ球分裂能は, 口腔細菌, E. coli LPS及びPHA, PWM刺激によりIS群での減少傾向, IE群での増加傾向が認められた。歯槽骨吸収量及び付着の喪失量についても, IS群での増加傾向, IE群での減少傾向を示したが, C群との間に有意差が認められたのは口蓋側におけるIE群での歯槽骨吸収の抑制のみであった。また, 歯肉組織の炎症性細胞浸潤はどの群も軽度で差が認められなかった。 以上より, 全身性の免疫抑制及び亢進と歯周組織の破壊には関連性がある事が示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.30.827