A-56.歯槽骨欠損部へのハイドロキシアパタイト応用の術後観察について
歯周疾患により生じた垂直性歯槽骨欠損に対して, 人工骨材料を用いて積極的に欠損部の修復をはかる骨移植術が注目されるようになった. 今回我々は, 特に高い組織親和性と骨伝導能を有するリン酸カルシウム系hy-droxyapatite(HAP)を, 臨床的に応用し, その効果の検討を行った. 被験者は広島大学歯学部附属病院を受診し, 慢性辺縁性歯周炎と診断された男子13人, 女子12人の計25人(年齢29~70歳)で, 垂直性歯問部歯槽骨欠損30部位に骨移植を行った. 移植材料は京セラ社製HAP(焼成温度900℃, 粒子径200~300μm)で, 術後の観察期間は6ヵ月までとした. 診査項目は口腔内...
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Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 1987, Vol.29 (1), p.279-279 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 歯周疾患により生じた垂直性歯槽骨欠損に対して, 人工骨材料を用いて積極的に欠損部の修復をはかる骨移植術が注目されるようになった. 今回我々は, 特に高い組織親和性と骨伝導能を有するリン酸カルシウム系hy-droxyapatite(HAP)を, 臨床的に応用し, その効果の検討を行った. 被験者は広島大学歯学部附属病院を受診し, 慢性辺縁性歯周炎と診断された男子13人, 女子12人の計25人(年齢29~70歳)で, 垂直性歯問部歯槽骨欠損30部位に骨移植を行った. 移植材料は京セラ社製HAP(焼成温度900℃, 粒子径200~300μm)で, 術後の観察期間は6ヵ月までとした. 診査項目は口腔内診査では, O'LearyらのPCR, 術後所見としてHAPの流出, 創面の略開, 疼痛, 不快感, 歯肉の炎症所見として発赤, 腫脹, 出血, 排膿および歯の動揺についてそれぞれの有無を評価し, また歯肉縁頂部の高さ, プロービングデプス(PD)アタッチメントレベル(AL)を測定した. X線診査では, 口内法X線規格撮影を行い, セメント, エナメル境から骨頂部, 骨欠損底部およびHAPの最歯冠側部までの距離を測定した. 結果, 1)HAPの流出は21例に, 創名の略開は14例に, 疼痛, 不快感は7例にみられたが, 発現期間はいずれも術後2週までであった. 2)全被験者のPCRは平均18.3%と良好で, 歯肉の炎症症状の発赤, 腫脹, 出血, 排膿はいずれも消退した. 3)歯の動揺は若干の改善傾向を示した. 4)歯肉の退縮量は1.1mm, PDの減少量は3.6mm, ALの獲得量は2.5mmを示した. 5)欠損内HAP填塞率は84.8%, 歯槽骨再生量は119mm認められ, 1, 2壁性に比べて3壁性骨欠損で高い傾向にあった. 6)欠損内HAP填塞量は, ALの獲得量(r=0.426, p |
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ISSN: | 0385-0110 |