A-39.歯周疾患により抜去された歯の歯根表面積に関する研究

我々は, これまでに, 歯周疾患による抜去歯およびX線写真を用いた歯冠歯根比について本学会において報告してきた. そこで今回我々は, 歯周疾患によって抜去した歯の線維性付着している歯根表面積とそうでない露出歯根表面積に対する割合, また歯根長, ポケットの深さについて検討を加えた. 〔材料と方法〕歯周疾患によって動揺度3と診断し抜去した上下顎前歯部でセメントエナメル境, 付着している歯根膜が明瞭で, 歯根の形態異常, 根面や歯冠部にカリエスや修復物が無い歯60本を選択した. 歯根表面積は, 区分求積法によって求めた. ポケットは, 抜歯前に審査を行った. 〔結果および考察〕歯根表面積について歯...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1987, Vol.29 (1), p.269-269
Hauptverfasser: 石川秀忠, 内国奈緒美, 大西晴美, 中島準子, 藤井敦, 武山和夫, 野村典生, 李文昭, 新井高, 中村治郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, これまでに, 歯周疾患による抜去歯およびX線写真を用いた歯冠歯根比について本学会において報告してきた. そこで今回我々は, 歯周疾患によって抜去した歯の線維性付着している歯根表面積とそうでない露出歯根表面積に対する割合, また歯根長, ポケットの深さについて検討を加えた. 〔材料と方法〕歯周疾患によって動揺度3と診断し抜去した上下顎前歯部でセメントエナメル境, 付着している歯根膜が明瞭で, 歯根の形態異常, 根面や歯冠部にカリエスや修復物が無い歯60本を選択した. 歯根表面積は, 区分求積法によって求めた. ポケットは, 抜歯前に審査を行った. 〔結果および考察〕歯根表面積について歯根表面積の大きさの順は, 上顎で, 犬歯(218.5mm), 中切歯(176.0mm), 側切歯(172.8mm), 下顎で, 犬歯(211.6mm), 側切歯(178.3mm), 中切歯(134.8mm)で山中, 小田らの報告と一致している. 線維性付着している表面積は, 上顎切歯で, 約25%, 犬歯, 約7%, 下顎中切歯約27%, 側切歯, 犬歯約18%で上顎犬歯を除いて約1/4の面積であった. 垂直性, 水平性骨吸収の区別を行っていないため少し大きな値が出たものと思われる. 付着喪失とポケットの深さについて付着喪失は, 頬舌側に多くポケットの最深部は, 近遠心に多かった. このことは, 頬舌側で歯肉退縮が大きく乳頭部で炎症が強いためと思われる. 実験方法にっいて寒天とニュープラストーンの寸法変化は, 田端らによると-0.08±0.03%であり区分求積法の誤差は, 山中によれば3.11%であり, 今回の実験方法は, 操作が繁雑ではあるが再現性があると思われる. 今後, 外傷性因子等の局所因子, X線との関係を考慮し更に細かく検討していきたいと思います.
ISSN:0385-0110