A-23.慢性歯周炎の歯肉リンパ球に関する研究1.酵素消化法による分離歯肉リンパ球の形態学的観察

歯周炎の局所に集籏する細胞は初期ではT cellが優位を占め, 病巣が慢性化するに従いB cellやplasmacellが増加する事が, Maklerら, Syemorら, Taubmanらによって報告され, 病変の進行とTcellによるim-mune regulation mechanisumが重要な関係にある事が指摘されている. 我々も歯周炎の検索を進める上で病巣に集籏する細胞を形態学的に観察する事が必要と考え, 10例の重度歯周炎患者の歯肉を歯周外科的な処置時, 主として抜歯時に採取しcollagense typeIV処理により細胞分離し検索を行い以下の結果を得た. 粗分画の分離歯肉細胞...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1987, Vol.29 (1), p.260-260
Hauptverfasser: 小宮山一雄, 斉藤一郎, 岩瀬孝志, 茂呂周
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯周炎の局所に集籏する細胞は初期ではT cellが優位を占め, 病巣が慢性化するに従いB cellやplasmacellが増加する事が, Maklerら, Syemorら, Taubmanらによって報告され, 病変の進行とTcellによるim-mune regulation mechanisumが重要な関係にある事が指摘されている. 我々も歯周炎の検索を進める上で病巣に集籏する細胞を形態学的に観察する事が必要と考え, 10例の重度歯周炎患者の歯肉を歯周外科的な処置時, 主として抜歯時に採取しcollagense typeIV処理により細胞分離し検索を行い以下の結果を得た. 粗分画の分離歯肉細胞にWrightstainを施こし, 形態を観察した結果, plasmacells, PMNs, lymphoid cellsの順に認められた他, 少数のmacrophages, eosimphils, mast cells, epithelialcellsもみられた. 同一標本をaffinity purifiedのheavy chain specificな抗体を用いた螢光二重染色の結果, IgG産生細胞が最も多く, 次いでIgA, IgMが認められた. 電顕による観察では, 各成熟段階のplas-macells, PMNs, macrophages, lymphocytes, eosino-phils, mast cells large granular lymphocytesを認めた. 細菌の負食像はほとんどのPMNに認められたのに反し, macrophageには明らかな負食像はみられなかった. さらに20例の歯肉炎患者歯肉の凍結切片を作製し, T4, T8, HNK-1の各monoclonal抗体をABC法により染色した結果, 多くの症例でT8>T4が観察された. HNK-1陽性細胞は慢性化した病巣, 特にplasma cellの多くみられた症例で認められた. またナイロンカラム通過歯肉リンパ球をK562をtarget cellとした51Crrelease法によりNKassayを行った結果, 低いNK活性を認めた.
ISSN:0385-0110