歯周疾患と好中球機能: 2. O2産生におよぼす血清の影響

第1報にひき続き, 好中球のO2産生におよぼす血清の影響について検討を加えた。方法は, ヒト末梢血より単離した好中球を用い, O2産生をNBT還元法およびチトクロームC還元法によって調べた。 その結果, 健常者の血清は歯周疾患患者のそれに比較して有意に好中球のNBT還元能を高めることがわかった。そしてこの効果は新鮮血清で最も著明であったが, 血清の非働化あるいは血清処理後の洗浄によっても残存した。 血清をゲル濾過法によって分離し得たアルブミンの添加は, グロブリンの添加に比して明らかに高い好中球のNBT還元活性を示し, 血清中へのEDTAあるいはCa2+-ionophore A-23187の添...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1986/06/28, Vol.28(2), pp.606-611
Hauptverfasser: 下島, 孝裕, 岩川, 吉伸, 中村, 安隆, 西本, 正純, 楠, 公仁, 丸本, 淑子, 池田, 克巳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:第1報にひき続き, 好中球のO2産生におよぼす血清の影響について検討を加えた。方法は, ヒト末梢血より単離した好中球を用い, O2産生をNBT還元法およびチトクロームC還元法によって調べた。 その結果, 健常者の血清は歯周疾患患者のそれに比較して有意に好中球のNBT還元能を高めることがわかった。そしてこの効果は新鮮血清で最も著明であったが, 血清の非働化あるいは血清処理後の洗浄によっても残存した。 血清をゲル濾過法によって分離し得たアルブミンの添加は, グロブリンの添加に比して明らかに高い好中球のNBT還元活性を示し, 血清中へのEDTAあるいはCa2+-ionophore A-23187の添加は, 鋭敏にNBT還元活性に影響を及ぼした。一方, 血清はチトクロームCを直接還元するが, cyto Dあるいはcon Aで刺激した好中球のO2産生も有意に増強させた。 以上の成績は, 血清中の複数の成分が好中球の貪食能あるいはO2産生機序への関与を示し, とくに血清アルブミンが好中球の細胞膜に直接的に作用してNBT還元を亢進させている可能性を示唆した。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.28.606