20.歯周外科処置後の創傷治癒に関する実験的研究 -遊離歯肉自家移植後の毛細血管の形態的変化について

移植片の血行再開過程に関し, 既存血管吻合説, 血管新生説, あるいはその両者によるという説などがあり, さらに移植片生着後の長期にわたる血管形態の変化について詳細な報告はない. そこで, 演者らは谷口太田らのアクリル樹脂注入法を用いて血管構築の経時的変化を立体的に観察した. 材料と方法:雑種成犬の上顎犬歯付着歯肉部に6×6nmの受容床を作製し, 反対側同部より部分層で移植片を採取した. 移植後1日~12週にわたり, 血管の樹脂鋳型標本をSEMで観察し, 一方連続切片にH-E, Van Gieson染色を施して, 病理組織学的検索と比較した. 結果:術後1~2日の移植片血管には, 樹脂注入像が...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1986, Vol.28 (1), p.392-392
Hauptverfasser: 信藤孝博, 山岡昭, 時岡孝夫, 太田義邦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:移植片の血行再開過程に関し, 既存血管吻合説, 血管新生説, あるいはその両者によるという説などがあり, さらに移植片生着後の長期にわたる血管形態の変化について詳細な報告はない. そこで, 演者らは谷口太田らのアクリル樹脂注入法を用いて血管構築の経時的変化を立体的に観察した. 材料と方法:雑種成犬の上顎犬歯付着歯肉部に6×6nmの受容床を作製し, 反対側同部より部分層で移植片を採取した. 移植後1日~12週にわたり, 血管の樹脂鋳型標本をSEMで観察し, 一方連続切片にH-E, Van Gieson染色を施して, 病理組織学的検索と比較した. 結果:術後1~2日の移植片血管には, 樹脂注入像が認められなかった. 術後3日では, 移植片の辺縁から中心へ約3/4に毛細血管に至るまでの注入像が認められ, その形態は移植片既存の毛細血管loopに一致する. また, 移植片と受容床との境界には海綿状の樹脂注入像が認められ, 血管吻合層が形成されていた.
ISSN:0385-0110