老化と免疫

年を取ると共に人に備わっている多くの機能は低下する. 例えば記憶力, 筋力, 視力の低下等数え上げればきりがなく, 免疫機能の低下もその一つである. これらの大部分の機能の老化は, いずれも直接に生命に係わることは少ないが, 免疫機能が低下する場合には, 免疫という言葉が"疫病を免れる"ということを意味することからも判るように, その機能低下はそれだけにとどまらず, 二次的に種々の疾病の発生の誘因となって人の生命に係わってくることになる. 免疫学にもともと予防医学的な抗血清, 抗毒素を研究する血清学に始まり, 抗原抗体反応を中心とした体液性免疫学が主流で, 感染防御機構を研...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 広川勝豊, 高松隆常
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:年を取ると共に人に備わっている多くの機能は低下する. 例えば記憶力, 筋力, 視力の低下等数え上げればきりがなく, 免疫機能の低下もその一つである. これらの大部分の機能の老化は, いずれも直接に生命に係わることは少ないが, 免疫機能が低下する場合には, 免疫という言葉が"疫病を免れる"ということを意味することからも判るように, その機能低下はそれだけにとどまらず, 二次的に種々の疾病の発生の誘因となって人の生命に係わってくることになる. 免疫学にもともと予防医学的な抗血清, 抗毒素を研究する血清学に始まり, 抗原抗体反応を中心とした体液性免疫学が主流で, 感染防御機構を研究する免疫学であった. 1960年代に入ると, それまで長い間, 譜の臓器であった胸腺が免疫系の発生にとって必須の中枢性リンパ組織であることが明らかにされ, この胸腺を中心とした細胞性免疫の花が開くに至った.
ISSN:0385-0110