ニフェジピンによる歯肉増殖症に関する研究: ヒト歯肉線維芽細胞におけるニフェジピンおよびEGFの増殖に及ぼす影響
抗狭心症薬ニフェジピン服用患者で, 歯肉増殖症を認めた患者および認めない患者, またニフェジピンを服用している歯周病患者, 各1名から歯肉組織を採取し, 線維芽細胞培養系を確立した後, in vitroでのニフェジピンおよびEGFの細胞増殖に及ぼす影響を検討した。あわせて患者唾液中のEGFも定量した。 ニフェジピン服用患者由来の歯肉線維芽細胞の培地中にニフェジピンを添加しても細胞増殖率およびDNA合成能の上昇は認められなかった。他の2例についても同様であった。EGF単独添加により, 全ての細胞にDNA合成能の上昇が認められたが, その上昇率には各群の差がなく, さらにEGF存在下でニフェジピン...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 1986/03/28, Vol.28(1), pp.168-175 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 抗狭心症薬ニフェジピン服用患者で, 歯肉増殖症を認めた患者および認めない患者, またニフェジピンを服用している歯周病患者, 各1名から歯肉組織を採取し, 線維芽細胞培養系を確立した後, in vitroでのニフェジピンおよびEGFの細胞増殖に及ぼす影響を検討した。あわせて患者唾液中のEGFも定量した。 ニフェジピン服用患者由来の歯肉線維芽細胞の培地中にニフェジピンを添加しても細胞増殖率およびDNA合成能の上昇は認められなかった。他の2例についても同様であった。EGF単独添加により, 全ての細胞にDNA合成能の上昇が認められたが, その上昇率には各群の差がなく, さらにEGF存在下でニフェジピンを添加してもEGF単独添加より上昇しなかった。また, 患者唾液中のEGF濃度に差は認められなかった。以上より, 本実験ではニフェジピンのin vitroでの増殖促進作用は認められず, EGFとの相互作用も認められなかった。 |
---|---|
ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.28.168 |