A-20.若年性歯周炎の一症例-白血球機能およびPAP法を用いた病理組織化学的検索

13歳で無歯顎となった若年性歯周炎の一症例を経験したので, 白血球機能検査及びPAP法を用いた病理組織化学的検索を行った. 患者は, 乳歯列期にも全歯牙脱落の既往があり, Papillon-Lefevre症候群との類似性がうかがわれたが, 特に掌蹟角化症はみられなかった. 残存永久歯の動揺度M2~M3で, ごく軽度の歯石沈着を認めた. 歯周ポケットからは嫌気性グラム陰性の桿菌が検出されたが, 菌種の同定はできなかった. 末梢血白血球の貧食能及びrandom migrationは正常であったが, FMLPに対する走化性が正常の約1/2に低下していた. 又, 血清中の免疫グロブリン値が高く, 補体...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1984-09, Vol.26 (3), p.603-603
Hauptverfasser: 吉村祥子, 原宜興, 古川猛士, 鎮守信弘, 赤峰昭文, 青野正男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:13歳で無歯顎となった若年性歯周炎の一症例を経験したので, 白血球機能検査及びPAP法を用いた病理組織化学的検索を行った. 患者は, 乳歯列期にも全歯牙脱落の既往があり, Papillon-Lefevre症候群との類似性がうかがわれたが, 特に掌蹟角化症はみられなかった. 残存永久歯の動揺度M2~M3で, ごく軽度の歯石沈着を認めた. 歯周ポケットからは嫌気性グラム陰性の桿菌が検出されたが, 菌種の同定はできなかった. 末梢血白血球の貧食能及びrandom migrationは正常であったが, FMLPに対する走化性が正常の約1/2に低下していた. 又, 血清中の免疫グロブリン値が高く, 補体系も上昇していた. 以上のような事から, 本症例の臨床診断は若年性歯周炎とした. 歯肉組織には, リンパ球及び形質細胞を主体とする慢性炎症性細胞浸潤がみられた. 又, 形質細胞を主体としたIgG保有細胞が非常に多く, 次いでIgA, IgM, IgE, IgD保有細胞の順であった. IgG保有細胞に関しては, 外縁上皮側に比べて内縁上皮側で有意に減少していた.
ISSN:0385-0110