A-13.Arch length discrepancyの初期治療に及ぼす影響について
叢生は歯周疾患の原因としてあげられ, 種々の初期治療に対しても影響を及ぼすものであると考えられている. この叢生が起こる因子の一つとしてDiscrepancyがあげられるが, Discrepancyとプラーク, あるいは疾患の進行の度合との関係については不明な点が多い. 今回我々は, Arch Length Discrepancy(ALD)を測定し, 臨床所見とを対比してみた. 患者は鹿児島大学歯学部付属病院を訪れた者で, 口腔内に5mm以上のポケットを有し, かつ下顎左右第一大臼歯間に欠損歯を有さないものを選んだ. 患者の年齢は20歳から63歳の平均年齢39.0歳で, 人数は57人であった....
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Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 1984, Vol.26 (3), p.598-598 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 叢生は歯周疾患の原因としてあげられ, 種々の初期治療に対しても影響を及ぼすものであると考えられている. この叢生が起こる因子の一つとしてDiscrepancyがあげられるが, Discrepancyとプラーク, あるいは疾患の進行の度合との関係については不明な点が多い. 今回我々は, Arch Length Discrepancy(ALD)を測定し, 臨床所見とを対比してみた. 患者は鹿児島大学歯学部付属病院を訪れた者で, 口腔内に5mm以上のポケットを有し, かつ下顎左右第一大臼歯間に欠損歯を有さないものを選んだ. 患者の年齢は20歳から63歳の平均年齢39.0歳で, 人数は57人であった. これらの患者の初診時における口腔全体のプラーク付着度, 初診再評価時における繭のプラーク付着度及びポケットの深さ, 初診時における肝石の動揺度及び骨吸収度, O'learyのプラークコントロールレコードが口腔全体で初めて10%以下になった時の肝石におけるプラ一ク付着度及びそれまでの指導回数について調査を行ない, これらをALDを有するものと有さないものとに分け, 比較検討した. これらの内, 指導回数において, ALDを有するものが有さないものより回数が多く, 有意差が認められたが, 他のケースにおいては, ALDを有するものと有さないものとの間に有意差は認められなかった. 次にALDを有するものだけに注目し, ALDの程度と初診時における繭のプラーク付着度, 動揺度, 骨吸収度との間に相関関係があるかどうかについても調査を行ったが, 相関関係は認められなかった. 結果として, プラークコントロールにおける指導回数を除いて大きな影響は認められなかった. このことは, 叢生のある患者に対しては, より適切な口腔清掃指導を丹念に行なうことが重要であることを示唆しているものと思える. |
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ISSN: | 0385-0110 |