A-7.ラット歯肉の創傷治癒の電顕的研究-蒸留水およびハイドロコーチゾンの塗布
第25回秋期, および第26回秋期日本歯周病学会総会で, 我々はラット歯肉の切創部の治癒過程におよぼす種々の物質の影響を光顕的, および電顕的に検索しその結果を報告した. 今回我々は, 前回と同じ方法でラット歯肉の切創部に蒸留水あるいはハイドロコーチゾンを塗布し, その治癒過程を電顕的に観察したので結果を報告する. 生後8週齢のラット(20匹)の下顎切歯舌側歯肉に, 切歯長軸に対し直角方向に深さ約1mm, 長さ約2mmの切創を形成し, その後直ちに切創部に蒸留水あるいは50mg/mlハイドロコーチゾンの溶液0.03mlを小綿球に浸して, 1分間塗布した(蒸留水塗布群10匹, ハイドロコーチゾン...
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Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 1984-09, Vol.26 (3), p.594-594 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 第25回秋期, および第26回秋期日本歯周病学会総会で, 我々はラット歯肉の切創部の治癒過程におよぼす種々の物質の影響を光顕的, および電顕的に検索しその結果を報告した. 今回我々は, 前回と同じ方法でラット歯肉の切創部に蒸留水あるいはハイドロコーチゾンを塗布し, その治癒過程を電顕的に観察したので結果を報告する. 生後8週齢のラット(20匹)の下顎切歯舌側歯肉に, 切歯長軸に対し直角方向に深さ約1mm, 長さ約2mmの切創を形成し, その後直ちに切創部に蒸留水あるいは50mg/mlハイドロコーチゾンの溶液0.03mlを小綿球に浸して, 1分間塗布した(蒸留水塗布群10匹, ハイドロコーチゾン塗布群10匹). 塗布後4日目と6日目に歯肉を切除し(各群5匹), 通法に従って超薄切片を作成後, 透過型電子顕微鏡で観察した. その結果, 蒸留水塗布群の4日目では正常な位置にベーサル, ラミナがみられたが, その下方にはさらにベーサル, ラミナの不規則な多層化を示すものも認められた. ハイドロコーチゾン塗布群の4日目では, 正常な位置のベーサル, ラミナの消失や, その下方でのベーサル, ラミナの不規則な多層化が多くみられ, 正常な位置のベーサル, ラミナは比較的少なかった. また, ベーサル, ラミナが消失し, 不規則な形態を示す線維芽細胞が基底膜に密接しているところも多く認められた. 蒸留水塗布群の6日目では, 正常な位置にベーサル, ラミナがみられたが, その下方には, さらにベーサル, ラミナの不規則な多層化を示すものも認められた. ハイドロコーチゾン塗布群の6日目では, ベーサル, ラミナが正常な位置に存在しているものが多く, その消失はほとんど認められなかった. しかし蒸留水塗布群の6日目と比較すると, 下方でベーサル, ラミナの不規則な多層化を示すものは多かった. また本研究では, 蒸留水塗布群およびハイドロコーチゾン塗布群でみられたベーサル, ラミナの所見から, ベーサル, ラミナの変化の過程を推察した. 〔質問〕(東歯大)山田了術後6日目にベーサル, ラミナが多発していたが, 今後長期問経過した場合, ベーサル, ラミナの多発は消失するか. 〔解答〕(愛院大)辻岡義人今回は4日目, 6日目において検索しており, それ以後の所見は現在検索中である. |
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ISSN: | 0385-0110 |