55.露出セメント質下象牙質の硬度

慢性辺縁性歯周炎によって, 歯と歯周組織との付着機構が破壊され, 歯根面が歯周ポケット内に露出されると, 根面はセメント質の壊死や歯石の沈着, 細菌, およびその産生物の侵襲をうける. この様に汚染された露出根面は充分に除去すべきであるといわれている. しかし露出根面はどの程度汚染されているのか, またどのくらい除去すればいいのか, 今だ充分な立証はない. 従来, 露出セメント質に対する形態学的, 生化学的研究は行なわれてきたが, セメント質下象牙質に対する検討はほとんど認められない. そこで筆者らは歯周疾患が露出セメント質下象牙質におよぼす影響に注目し, その研究の第一歩として, セメント質...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1984-03, Vol.26 (1), p.164-164
Hauptverfasser: 西川博之, 勝谷芳文, 岩山幸雄, 森脇豊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性辺縁性歯周炎によって, 歯と歯周組織との付着機構が破壊され, 歯根面が歯周ポケット内に露出されると, 根面はセメント質の壊死や歯石の沈着, 細菌, およびその産生物の侵襲をうける. この様に汚染された露出根面は充分に除去すべきであるといわれている. しかし露出根面はどの程度汚染されているのか, またどのくらい除去すればいいのか, 今だ充分な立証はない. 従来, 露出セメント質に対する形態学的, 生化学的研究は行なわれてきたが, セメント質下象牙質に対する検討はほとんど認められない. そこで筆者らは歯周疾患が露出セメント質下象牙質におよぼす影響に注目し, その研究の第一歩として, セメント質下象牙質の微小硬度の検討を行なった. 本実験に用いた歯牙は, 実験歯として, 臨床的に辺縁性歯周炎と診断された23歳から41歳の患者の中で, 過去スケールングやルートプレーニングをうけていない歯牙1,2本を用い, 一方対照歯として, 25歳から49歳までの患者の中で, 矯正的理由, あるいは埋伏のため抜去された歯牙14本用いた.
ISSN:0385-0110