ヒト歯肉由来線維芽様細胞に対する抗体依存性細胞傷害の実験モデル

歯周組織破壊機構に抗体依存性細胞障害 (ADCC) が関与している可能性を調べるために, ヒト歯肉由来線維芽様細胞を標的細胞とするADCCの in vitro の実験を行い, さらに歯周炎患者の歯肉組織浸潤細胞中にK細胞が存在するかどうか検索した。被検標的細胞にEikenella corrodens を付着させた後, 本菌に対するウサギ抗血清およびヒト末梢血リンパ球 (PBL) と反応させると, ADCCによる細胞破壊を認めた。酵素処理して得たヒト炎症歯肉組織の浸潤細胞中には, IgG-EAロゼット法によりFcレセプター (FcR) 保有細胞を同定できたが, ヒツジ赤血球に対するADCC活性は...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1984/03/28, Vol.26(1), pp.101-109
Hauptverfasser: 山上, 紘志, 木田, 友信, 岡田, 宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯周組織破壊機構に抗体依存性細胞障害 (ADCC) が関与している可能性を調べるために, ヒト歯肉由来線維芽様細胞を標的細胞とするADCCの in vitro の実験を行い, さらに歯周炎患者の歯肉組織浸潤細胞中にK細胞が存在するかどうか検索した。被検標的細胞にEikenella corrodens を付着させた後, 本菌に対するウサギ抗血清およびヒト末梢血リンパ球 (PBL) と反応させると, ADCCによる細胞破壊を認めた。酵素処理して得たヒト炎症歯肉組織の浸潤細胞中には, IgG-EAロゼット法によりFcレセプター (FcR) 保有細胞を同定できたが, ヒツジ赤血球に対するADCC活性は認められなかった。ラット実験的炎症巣由来の浸潤細胞および陽性対照群のヒトPBLは, ともに明確なADCC活性を認めた。しかしこれらの細胞を酵素処理するとADCCの発現を認めなかった。なおヒトPBLにおいて, 酵素処理前後でFcR保有細胞数の変動はなかった。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.26.101