55.歯周外科手術におけるSynthograft(R)の応用(第1報)

歯周外科処置後, 歯肉付着の高さは, 水平性骨吸収例においては, その下の歯槽骨の存在する所まで退縮し, また垂直性骨吸収例では, 歯周ポケットの存続という結果を余儀なくされることを臨床上よく経験する. そして歯槽骨欠損部に健康な骨が新生されることは歯周治療において大きな意義を持つことを痛感する. 今まで歯槽骨欠損症例に対し骨移植材として他家骨およびその加工材料そして自家骨による骨移植が試みられて来たが, 移植材の前者はその抗原性の問題により, 後者は複数ヵ所の手術による煩雑さと量の問題などを残していた. さらに歯周治療における骨移植は歯周組織が歯槽骨, 歯根膜それにセメント質から構成されるこ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1983-06, Vol.25 (2), p.461-462
Hauptverfasser: 大倉博顕, 栗山正之, 宮下元, 長谷川紘司, 堀口令一, 落合慶一, 新井高, 中村治郎, 茂手木義男, 清水光雄, 山本玲子, 原耕二, 今井久夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯周外科処置後, 歯肉付着の高さは, 水平性骨吸収例においては, その下の歯槽骨の存在する所まで退縮し, また垂直性骨吸収例では, 歯周ポケットの存続という結果を余儀なくされることを臨床上よく経験する. そして歯槽骨欠損部に健康な骨が新生されることは歯周治療において大きな意義を持つことを痛感する. 今まで歯槽骨欠損症例に対し骨移植材として他家骨およびその加工材料そして自家骨による骨移植が試みられて来たが, 移植材の前者はその抗原性の問題により, 後者は複数ヵ所の手術による煩雑さと量の問題などを残していた. さらに歯周治療における骨移植は歯周組織が歯槽骨, 歯根膜それにセメント質から構成されることから, 単に抜歯窩に適応する時と異なり組織の分化など複雑な問題を含んでいる. 新生骨増殖基質材としてβ-tricalciumphosphateを主成分とするSynthograft(R)はすでに一部の国では動物実験および臨床実験が行なわれている. 今回われわれは, 抗原性, 滅菌性, 操作性に優れていることから, それを歯槽骨欠損症例に応用し, その臨床的効果を見る実験を以下のように計画した.
ISSN:0385-0110