歯周病の外科的処置後における象牙質知覚過敏症について: NaF配合歯肉包帯による治療効果と象牙質の微細形態学的変化

歯周病の患者では, スケーリングや外科的処置の後に歯根が露出した場合, その露出面において象牙質知覚過敏症を訴える症例が多くみられる. スケーリングや外科的処置の時に行われるルートプレーニングの操作によって, 歯根面を被覆する壊死セメント質が部分的に, あるいは完全に除去され細管構造を有する象牙質が直接口腔内に露出されると, 外来刺激の伝達が容易となり知覚過敏の状態が現れる1). このような象牙質知覚過敏症では, 発現部位が歯頸部から根面に至る解剖学的に複雑な形態を示していることや, また, 一度に多数歯にわたって症状が現れることなどによって, 従来の修復処置を施すことが困難である. そのため...

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Veröffentlicht in:日本歯周病学会会誌 1979/12/28, Vol.21(4), pp.463-470
Hauptverfasser: 内田, 昭次, 若野, 洋一, 西田, 百代, 寺山, 悦子, 木田, 友信, 福山, 修, 三木, 隆雄, 岩山, 幸雄, 岡田, 宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯周病の患者では, スケーリングや外科的処置の後に歯根が露出した場合, その露出面において象牙質知覚過敏症を訴える症例が多くみられる. スケーリングや外科的処置の時に行われるルートプレーニングの操作によって, 歯根面を被覆する壊死セメント質が部分的に, あるいは完全に除去され細管構造を有する象牙質が直接口腔内に露出されると, 外来刺激の伝達が容易となり知覚過敏の状態が現れる1). このような象牙質知覚過敏症では, 発現部位が歯頸部から根面に至る解剖学的に複雑な形態を示していることや, また, 一度に多数歯にわたって症状が現れることなどによって, 従来の修復処置を施すことが困難である. そのため, 著者らはとくに歯周病の外科的処置後に現れる象牙質知覚過敏症について, その発現頻度や経過について調べる2)とともに, その治療法についての研究を行っている. 象牙質知覚過敏症の治療法については臨床的に多くの報告があり,各種薬物の塗布やイオン導入3),あるいは薬物配合歯磨剤による刷掃4~5)などが行われている.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.21.463