歯根面の微細構造について

歯周治療の際に生ずる歯根の露出はある程度, 必然的なものであり, とくに高度の歯槽骨吸収を伴う症例では, 歯根膜との線維性結合を喪失したセメント質の取り扱いがしばしば問題となる. 我々は, いわゆる壊死セメント質の本態を追究する手段として, 種々の症例, 処置後のセント質の表層所見と割面所見のSEM観察を試みているが, 今回は根面の微細構造について報告し, 歯周疾患患者の歯根面の取り扱いについて触れたい. 歯根膜線維と線維性結合を失ったセメント質は症例によって多少の差はあるが, 基本的にはほぼ同様な形態, すなわち, 直径5ないし10ミクロン, 高さ数ミクロンの半球形状の凹凸所見を呈している....

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Hauptverfasser: 高橋俊吉, 砂山康俊, 後藤伸司, 泉谷信博, 上野和之
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯周治療の際に生ずる歯根の露出はある程度, 必然的なものであり, とくに高度の歯槽骨吸収を伴う症例では, 歯根膜との線維性結合を喪失したセメント質の取り扱いがしばしば問題となる. 我々は, いわゆる壊死セメント質の本態を追究する手段として, 種々の症例, 処置後のセント質の表層所見と割面所見のSEM観察を試みているが, 今回は根面の微細構造について報告し, 歯周疾患患者の歯根面の取り扱いについて触れたい. 歯根膜線維と線維性結合を失ったセメント質は症例によって多少の差はあるが, 基本的にはほぼ同様な形態, すなわち, 直径5ないし10ミクロン, 高さ数ミクロンの半球形状の凹凸所見を呈している. この形態は, 歯根面にセメント質が存在している場合は, 症例や部位に拘らず認められるが, 線維性結合が失われる際に, 何んらかの理由で異常な石灰化現象が歯根面に生じるとこのような定形的な形態は失われる. 歯周治療の際の歯根面の取り扱いについてみると根面の滑沢化という点では手用スケーラーによる歯根面が優れている.
ISSN:0385-0110