冠装着後の実験的歯周炎に関する基礎的研究: その1. 冠辺縁の位置的違いと歯肉病変
歯科臨床の実際において, 歯冠補綴を行なう場合, 冠辺縁を歯肉縁下に設定することがきわめて多い. 修復物の辺縁を歯肉溝内へ挿入する目的を考えてみると, 歯頸部付近は比較的自浄作用が悪く, またその部のエナメル質には低石灰部が多いので, 二次う蝕を防止すべきものであるとされているためである. 一方, 修復物辺縁を歯肉縁下に挿入した場合の歯肉におよぼす為害作用について, 最近種々検討されている1~24). たとえば, 近心側歯肉縁下に辺縁部がおよんだ適合良好なアマルガム充填の場合14), 辺縁を歯肉縁下に挿入した全部鋳造冠13)やクラウンブリッジの支台歯の研究8, 9)では, コントロール歯に比べ...
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Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 1977/12/28, Vol.19(4), pp.341-357 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 歯科臨床の実際において, 歯冠補綴を行なう場合, 冠辺縁を歯肉縁下に設定することがきわめて多い. 修復物の辺縁を歯肉溝内へ挿入する目的を考えてみると, 歯頸部付近は比較的自浄作用が悪く, またその部のエナメル質には低石灰部が多いので, 二次う蝕を防止すべきものであるとされているためである. 一方, 修復物辺縁を歯肉縁下に挿入した場合の歯肉におよぼす為害作用について, 最近種々検討されている1~24). たとえば, 近心側歯肉縁下に辺縁部がおよんだ適合良好なアマルガム充填の場合14), 辺縁を歯肉縁下に挿入した全部鋳造冠13)やクラウンブリッジの支台歯の研究8, 9)では, コントロール歯に比べて歯肉炎は亢進するものとされ, 荒木7)はまた, 歯肉縁下に設定した冠辺縁部にあきらかに歯周ポケットが形成され, 慢性の炎症性変化が持続して認められたと述べている. このように歯周病の立場からみた場合, 修復物辺縁を歯肉縁下に挿入すると, 歯肉炎は亢進するという好ましくない結果がみられたわけである. |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.19.341 |