辺縁性歯周疾患の免疫病理学的研究―患者歯肉組織と血清中の免疫グロブリン(とくにIgG, IgAとIgM)の局在性と含有量について(1)

辺縁性歯周炎の発症因子の主役は, 口腔内に常在している細菌であり, とりわけ歯肉嚢ないし, その付近に生息している細菌が関与していることは明らかである. これらの細菌の毒素やムコ多糖, コラーゲンおよびその他の各種蛋白を分解する酵素などにより歯周組織が直接破壊されるだけでなく, 口腔内常在細菌が抗原となり, すでに産生された抗体との間に生じる免疫反応も歯周組織の破壊因子になり得る可能性が示唆されている. 事実, 歯周炎罹患歯肉に各種の口腔内細菌および免疫グロブリンの局在が免疫組織学的に確認され, それらの局在部位周辺の歯肉組織は炎症性破壊に陥っているという報告があり, また, 本症罹患患者血清...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 筒井正弘, 掛樋明, 田中昭男, 岡村敬次, 魚部健市, 西田健, 竹内宏, 上田雅俊, 山岡昭
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:辺縁性歯周炎の発症因子の主役は, 口腔内に常在している細菌であり, とりわけ歯肉嚢ないし, その付近に生息している細菌が関与していることは明らかである. これらの細菌の毒素やムコ多糖, コラーゲンおよびその他の各種蛋白を分解する酵素などにより歯周組織が直接破壊されるだけでなく, 口腔内常在細菌が抗原となり, すでに産生された抗体との間に生じる免疫反応も歯周組織の破壊因子になり得る可能性が示唆されている. 事実, 歯周炎罹患歯肉に各種の口腔内細菌および免疫グロブリンの局在が免疫組織学的に確認され, それらの局在部位周辺の歯肉組織は炎症性破壊に陥っているという報告があり, また, 本症罹患患者血清中の免疫グロブリンの含有量が健常者のそれと比較して増加しているとの報告もある. しかし, この両者の報告は, ほとんど個々に検索されたものである. そこで今回, 私達は辺縁性歯周疾患のうち, 炎症型と診断された症例を選び同一被験体について, 局所歯周組織の臨床的病態とその局所歯肉組織内の免疫グロブリン(IgG, IgAおよびIgM)の局在程度と血清中の免疫グロブリン(IgG, IgAおよびIgM)の含有量との相関性について検討したところ次のような結果を得た.
ISSN:0385-0110