歯周組織破壊のメカニズムについて
昨年の本学会では, 秋吉教授が形態学の立場から歯周組織の病理像を示されたが, 私は主として機能的な立場から, 歯周組織破壊のメカノニズムをお話しする. Weiss(1963)は, 動物の培養細胞を, ノイラミニダーゼ(neuraminidaseあるいはsialidase)で処理すると, 細胞のガラス壁への付着性が減少することを示した. ヒアルロニダーゼには, このような作用はない. 細胞とガラス壁との間の付着性を, 歯のエナメル質と歯肉上皮の間の付着性に置き換えて考えると, ノイラミニダーゼは歯肉上皮とエナメルの間のはく離という歯周組織破壊の初期段階と関係があるのではなかろうかと想像される....
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Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 1975/09/25, Vol.17(2), pp.322-326 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 昨年の本学会では, 秋吉教授が形態学の立場から歯周組織の病理像を示されたが, 私は主として機能的な立場から, 歯周組織破壊のメカノニズムをお話しする. Weiss(1963)は, 動物の培養細胞を, ノイラミニダーゼ(neuraminidaseあるいはsialidase)で処理すると, 細胞のガラス壁への付着性が減少することを示した. ヒアルロニダーゼには, このような作用はない. 細胞とガラス壁との間の付着性を, 歯のエナメル質と歯肉上皮の間の付着性に置き換えて考えると, ノイラミニダーゼは歯肉上皮とエナメルの間のはく離という歯周組織破壊の初期段階と関係があるのではなかろうかと想像される. このようなことから, 口腔内ノイラミニダーゼが活性を調べた. 既に唾液中にノイラミニダーゼ活性が証明されてはいたが, 口腔内のどこから由来するのか, 明らかにされてはいなかった. 唾液ノイラミニダーゼの由来として, まず口腔常在菌が考えられたので, 研究室に保有されていた標準株や, 新たに口腔内より分離した種々の株のノイラミニダーゼ産生性を調べた. |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.17.322 |