ヒト病的歯肉結合組織成分に関する研究: I. ヘキソサミンならびにコラーゲン量について
結合組織の主要な構成分は, 線維成分としてのコラーゲンと基質成分としてのグリコサミノグリカン(以下GAGと略す)であり, 両者とも炎症に密接に関係して変動することが多くの実験成績によって示されてきた. 一般に炎症の初期において, 不溶性コラーゲンは正常組織に比して低い値を示すが, 15~16日後には正常レベルに回復するという結果が実験的炎症を中心に得られている1). すなわち, Houck2)は, クロトンオイルを起炎剤としてラットの皮膚に急性炎症を惹起し不溶性コラーゲンを測定したところ, 起炎後2日目ですでに対照の60%にまで減少し, 7日目まではほぼ一定の値を示すが14日目には約70%,...
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Veröffentlicht in: | 日本歯周病学会会誌 1975/09/25, Vol.17(2), pp.245-250 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 結合組織の主要な構成分は, 線維成分としてのコラーゲンと基質成分としてのグリコサミノグリカン(以下GAGと略す)であり, 両者とも炎症に密接に関係して変動することが多くの実験成績によって示されてきた. 一般に炎症の初期において, 不溶性コラーゲンは正常組織に比して低い値を示すが, 15~16日後には正常レベルに回復するという結果が実験的炎症を中心に得られている1). すなわち, Houck2)は, クロトンオイルを起炎剤としてラットの皮膚に急性炎症を惹起し不溶性コラーゲンを測定したところ, 起炎後2日目ですでに対照の60%にまで減少し, 7日目まではほぼ一定の値を示すが14日目には約70%, 23日目にはほぼ対照値に戻ることを報告した. またSakata3)は, 家兎の背部皮膚に4cm2の切傷をつくり, 3日から14日までの創傷治癒過程におけるコラーゲンの変動について検討した. その結果, 不溶性コラーゲンは3日目には健康値の55%, 6日目には65, 10日目には72%と漸次増加し, 14日目には83%にまで回復したとのべている. Reynold4)も, また, ラット皮膚の開放切創を用いた実験において, 減少した総コラーゲンは15日目には元の値に戻ることを報告している. |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.17.245 |