Presteronの歯槽膿漏症患者に対する臨床使用成績
Presteronの歯槽膿漏症に対する臨床実験を依頼せられたので, その臨床成績の中間報告をする. 使用患者及び使用薬剤:我々は歯槽膿漏症の範囲を広く解釈し, 若年性の歯肉炎で歯槽膿漏の前駆症と考えられるものから老人性のものに対し使用した. 使用薬剤は1)油1生注射剤;1cc中, 20mg含有, 2)CMC軟膏;1g中, 40mg合有の2種類を用いた. 使用方法:両剤とも使用前に歯石の除去, 盲嚢の掻爬, 洗浪, 患部のレ線撮影を行つた後, 注射剤は1回1cc即ち20mgのEpidihydrocholesterineを隔日又は毎日注射した. 注射部位は上脾部の筋肉内注射を行い, 注射部位の疼痛...
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Veröffentlicht in: | 日本歯槽膿漏学会会誌 1959, Vol.1 (1), p.3-4 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Presteronの歯槽膿漏症に対する臨床実験を依頼せられたので, その臨床成績の中間報告をする. 使用患者及び使用薬剤:我々は歯槽膿漏症の範囲を広く解釈し, 若年性の歯肉炎で歯槽膿漏の前駆症と考えられるものから老人性のものに対し使用した. 使用薬剤は1)油1生注射剤;1cc中, 20mg含有, 2)CMC軟膏;1g中, 40mg合有の2種類を用いた. 使用方法:両剤とも使用前に歯石の除去, 盲嚢の掻爬, 洗浪, 患部のレ線撮影を行つた後, 注射剤は1回1cc即ち20mgのEpidihydrocholesterineを隔日又は毎日注射した. 注射部位は上脾部の筋肉内注射を行い, 注射部位の疼痛の軽減のため, 左右の腕を交互に行つた. CMC軟膏は使用前に患部の簡易防湿を施し, 可及的乾燥し, 歯肉縁, 歯間乳頭, 歯頸部を軟膏で被う様に充分に塗布し, 1回の使用量は片顎で1-3g, 1日1回毎日行つた. 臨床使用成績:歯槽膿漏症を臨床的に炎症型, 骨萎縮型, 混合型に分類し, 初診時の症状を排膿, 出血, 歯牙動揺, 口臭, 歯肉の状態, レ線所見の各項目にそれぞれ記入し, Presteron使用経過を観察し, 効果の判定を行つた. 油性注射剤を使用した患者は19名で, その内有効と認められた者16名, 効果の認められない者3名である. CMC軟膏使用者は15名で全員良好なる効果を認め得た. 使用回数と効果の現われ方は, 症状により一定していない. 大体両剤とも排膿の停止腫張の減少等は7-8回から12-13回程度で認められるようである. なお両剤ともレ線写真所見による歯槽突起の改善は認められなかつた. 質問:阪大口腔衛生 可児瑞夫 炎症型, 局所疼痛のあるものでEpidihydrocholesterine軟膏局所使用により鎮痛したとの報告だが, 鎮痛作用があるのか. 又使用例中何%に有効であつたか. 解答:岐阜医大口外 岡伸光 使用例15例中炎症型のもの約半数に消炎と前後して疹痛が減少した. |
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ISSN: | 0385-0110 |