糖尿病患者の顎顔面歯性感染症からの分離菌とその薬剤感受性についての検討
「緒言」 糖尿病は易感染性の疾患であり, 歯周病と糖尿病との関連が提唱され, その増悪因子を解明すべく様々な研究が行われている. 歯性感染症においても糖尿病患者で感染が重篤化した報告1-4)は多数見受けられるが, その起炎菌に関する統計的な報告は少ない. そこで, 顎顔面領域歯性感染症について実態調査を行い, 糖尿病がその検出菌に及ぼす影響とさらにその抗菌薬感受性につき検討を行ったので報告する. 「対象および方法」 2001年4月から2006年12月までの5年8か月間に, 市立堺病院歯科口腔外科を受診し, 深部膿瘍, 蜂窩織炎などの顎顔面感染症の診断を得て, 点滴加療を必要とした患者のうち,...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2008-07, Vol.57 (3), p.272-277 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」 糖尿病は易感染性の疾患であり, 歯周病と糖尿病との関連が提唱され, その増悪因子を解明すべく様々な研究が行われている. 歯性感染症においても糖尿病患者で感染が重篤化した報告1-4)は多数見受けられるが, その起炎菌に関する統計的な報告は少ない. そこで, 顎顔面領域歯性感染症について実態調査を行い, 糖尿病がその検出菌に及ぼす影響とさらにその抗菌薬感受性につき検討を行ったので報告する. 「対象および方法」 2001年4月から2006年12月までの5年8か月間に, 市立堺病院歯科口腔外科を受診し, 深部膿瘍, 蜂窩織炎などの顎顔面感染症の診断を得て, 点滴加療を必要とした患者のうち, 膿汁を嫌気的に採取できた症例を対象とした. 歯槽膿瘍や歯肉膿瘍などの口腔内に限局した表層の感染症は対象外とした. 糖尿病群(以下DM群)20例(男14女6 人, 平均年齢56. 2±16. 4歳30~91歳)と30歳以上非糖尿病群(以下ONDM群)88例(男48女40人, 平均年齢52. 9±14. 61歳30~88歳), 30歳未満非糖尿病群(以下YNDM群)20例(男17女3人, 平均年齢22. 8±3. 4歳14~29歳)とを比較検討した. |
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ISSN: | 0029-0297 |
DOI: | 10.11277/stomatology1952.57.272 |