一卵性双生児の一児にみられた口蓋裂, 舌裂を伴う口腔内の多発性先天性奇形腫症例

「緒言」 新生児の先天性腫瘍のうち最も多いのは奇形腫であり1.2), その発現頻度は出生20,000から40,000人に1人とされている3). しかし, 奇形腫が口腔内に発生することはまれである. 今回, われわれは極低出生体重児として出生した一卵性双生児の一児に, 口蓋裂, 舌裂を伴った口腔内の多発性先天性奇形腫の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:生後41日, 女児. 家族歴:特記事項なし. 出生までの経過:患児は父親32歳, 母親32歳の第3子, 一卵性双生児の第1子であった. 母親は超音波検査で, 1絨毛膜2羊膜性双胎が確認されていた. 妊娠28週から羊水過多のため当院産婦人...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2008-03, Vol.57 (2), p.245-249
Hauptverfasser: 白水敬昌, 木下弘幸, 松澤哲子, 長縄憲亮, 八木茂明, 長尾徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 新生児の先天性腫瘍のうち最も多いのは奇形腫であり1.2), その発現頻度は出生20,000から40,000人に1人とされている3). しかし, 奇形腫が口腔内に発生することはまれである. 今回, われわれは極低出生体重児として出生した一卵性双生児の一児に, 口蓋裂, 舌裂を伴った口腔内の多発性先天性奇形腫の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:生後41日, 女児. 家族歴:特記事項なし. 出生までの経過:患児は父親32歳, 母親32歳の第3子, 一卵性双生児の第1子であった. 母親は超音波検査で, 1絨毛膜2羊膜性双胎が確認されていた. 妊娠28週から羊水過多のため当院産婦人科で入院下に管理されていたが, 双胎児による胎児間輸血症候群の疑いがあり, 在胎29週5日に帝王切開で出生した. 出生時体重1,196gの極低出生体重児であり, 身長37cm, 頭囲28cmであった. 自発呼吸はなく, 重度の呼吸不全を呈したために気管内挿管による人工呼吸管理が開始された.
ISSN:0029-0297
DOI:10.11277/stomatology1952.57.245