連通気孔構造を有する新規ハイドロキシアパタイトセラミックスの顎骨欠損部への応用

「緒言」 口腔腫瘍, 外傷, 顎変形症などによる顎骨欠損, あるいはインプラント埋入のための歯槽骨増生に対して, 自家骨移植が広く行われている. しかし, 自家骨移植には, 採骨に伴う手術侵襲や, 骨の供給量に制限があること, さらに移植後の移植骨の吸収などの問題も残されている. 自家骨の代替あるいは補填材料として, ハイドロキシアパタイトを焼成して作られたセラミックスが開発され, 最近では多孔体ハイドロキシアパタイトセラミックス(HA)のブロックや顆粒の口腔領域への臨床応用例が散見される1-4). 新規多孔体HA(NEOBONE(R))は, 既存の多孔体HAと比べ, 気孔率は72~78%と高...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2007-09, Vol.56 (4), p.400-404
Hauptverfasser: 宮内美和, 吉岡幸男, 東川晃一郎, 小泉浩一, 太田耕司, 谷亮治, 林堂安貴, 虎谷茂昭, 杉山勝, 鎌田伸之, 岡本哲治, 赤川安正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 口腔腫瘍, 外傷, 顎変形症などによる顎骨欠損, あるいはインプラント埋入のための歯槽骨増生に対して, 自家骨移植が広く行われている. しかし, 自家骨移植には, 採骨に伴う手術侵襲や, 骨の供給量に制限があること, さらに移植後の移植骨の吸収などの問題も残されている. 自家骨の代替あるいは補填材料として, ハイドロキシアパタイトを焼成して作られたセラミックスが開発され, 最近では多孔体ハイドロキシアパタイトセラミックス(HA)のブロックや顆粒の口腔領域への臨床応用例が散見される1-4). 新規多孔体HA(NEOBONE(R))は, 既存の多孔体HAと比べ, 気孔率は72~78%と高く, 多数の気孔が互いに連通する独自の多孔体構造を有している. そのため深部気孔内にまで細胞が進入し, 従来の多孔体HAに比べ優れた骨伝導能を示すことが報告されている5). 既に整形外科領域では骨腫瘍や慢性関節リウマチによる骨欠損に臨床応用されているが5-7), 口腔領域においての使用報告はない.
ISSN:0029-0297
DOI:10.11277/stomatology1952.56.400