6. 温熱療法を施行した上顎歯肉腫瘍の1例

温熱療法は, 外科療法, 化学療法, 放射線療法の治療効果を高めることを期待し併用される療法として頭頸部領域においてもその有用性が報告されている. 今回演者らは, 外科療法, 化学療法, 放射線療法にて制御不能であった上顎歯肉腺癌の再発症例に対し, 温熱療法を施行した結果, 著明な縮小を認めた1例を経験したので, その概要を報告した. 患者は69歳女性で, 左側口蓋部の腫瘤を主訴とし1999年12月3日に当科受診した. 臨床診断として多形性腺腫を疑い, 1999年12月22日に全麻下にて腫瘍切除術を施行しadenocarcinomaとの病理組織学的診断を得た. その後も再発を繰り返し, 入院下...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2006, Vol.55 (3), p.205-205
Hauptverfasser: 渚紀子, 紺田敏之, 後藤礼, 島原政司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:温熱療法は, 外科療法, 化学療法, 放射線療法の治療効果を高めることを期待し併用される療法として頭頸部領域においてもその有用性が報告されている. 今回演者らは, 外科療法, 化学療法, 放射線療法にて制御不能であった上顎歯肉腺癌の再発症例に対し, 温熱療法を施行した結果, 著明な縮小を認めた1例を経験したので, その概要を報告した. 患者は69歳女性で, 左側口蓋部の腫瘤を主訴とし1999年12月3日に当科受診した. 臨床診断として多形性腺腫を疑い, 1999年12月22日に全麻下にて腫瘍切除術を施行しadenocarcinomaとの病理組織学的診断を得た. その後も再発を繰り返し, 入院下において合計5回の手術と60Gyの放射線照射および数種類におよぶ化学療法を行うも, 腫瘍の縮小は得られず制御不能であった. 2005年3月CDDP総量270mgによる化学療法を併用した温熱療法を施行し, 臨床所見および画像所見において腫瘍の著明な縮小を認めたので, その概要を報告した.
ISSN:0029-0297