16. 腫瘍の悪性化モデルにおけるプロテオーム解析-progression関連蛋白質の網羅的解析

腫瘍の悪性化に関わる蛋白質の解析は, 癌治療の標的分子および病態の解明にとって有意義であり, 癌治療を考える上で非常に重要である. 今回われわれは造腫瘍能の極めて低いマウス線維肉腫regressor細胞株QR32をゼラチンスポンジとともにマウスに移植して, 転移能を持つprogressor細胞株QRsPを樹立した. この同系の細胞株の間で異なって発現する蛋白質を同定するためにプロテオーム解析を行い, progressor株で高発現する7種類の蛋白質を同定した. それらは, 機能別に分子シャペロン, 抗酸化蛋白質, アポトーシス関連蛋白質, 細胞骨格蛋白質に分類された. なかでも特にprogre...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2006, Vol.55 (3), p.197-197
Hauptverfasser: 林英子, 内田堅一郎, 岡藤正樹, 蔵満保宏, 中村和行, 上山吉哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腫瘍の悪性化に関わる蛋白質の解析は, 癌治療の標的分子および病態の解明にとって有意義であり, 癌治療を考える上で非常に重要である. 今回われわれは造腫瘍能の極めて低いマウス線維肉腫regressor細胞株QR32をゼラチンスポンジとともにマウスに移植して, 転移能を持つprogressor細胞株QRsPを樹立した. この同系の細胞株の間で異なって発現する蛋白質を同定するためにプロテオーム解析を行い, progressor株で高発現する7種類の蛋白質を同定した. それらは, 機能別に分子シャペロン, 抗酸化蛋白質, アポトーシス関連蛋白質, 細胞骨格蛋白質に分類された. なかでも特にprogressionに関わっていると考えられる蛋白質HSP90α/β, calreticulinを, Western Blottingにより確認した. その結果これらの蛋白質が腫瘍のprogressionに深く関わっている可能性が示唆された.
ISSN:0029-0297