B-16. 顎変形症患者に認めた遊離性上顎洞内骨腫の1例

骨腫は成熟骨組織からなる病変で, 頭頸部領域では頭蓋骨や下顎骨に好発し上顎洞に生じるものは比較的まれである. 今回われわれは顎変形症患者に認めた上顎洞内骨腫の1例を経験したので報告する. 症例は19歳, 女性. 顔貌の非対称を主訴に矯正歯科を受診し, 顎矯正手術を目的に2003年6月7日当科を受診した. パノラマX線写真およびCT像にて, 右側上顎洞底部に数個の境界明瞭な腫瘤を認めたが, 頬部の腫脹などの自覚症状は認めず上顎右側臼歯はすべて生活歯であった. 2年間の術前矯正治療中に臨床症状を認めず大きさの変化を認めなかったため骨腫が疑われた. 2005年5月31日全身麻酔下に顎矯正手術を施行し...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2006, Vol.55 (2), p.150-150
Hauptverfasser: 萩野浩子, 豊田理恵, 細井平修, 土方夕希子, 宇佐美雄司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨腫は成熟骨組織からなる病変で, 頭頸部領域では頭蓋骨や下顎骨に好発し上顎洞に生じるものは比較的まれである. 今回われわれは顎変形症患者に認めた上顎洞内骨腫の1例を経験したので報告する. 症例は19歳, 女性. 顔貌の非対称を主訴に矯正歯科を受診し, 顎矯正手術を目的に2003年6月7日当科を受診した. パノラマX線写真およびCT像にて, 右側上顎洞底部に数個の境界明瞭な腫瘤を認めたが, 頬部の腫脹などの自覚症状は認めず上顎右側臼歯はすべて生活歯であった. 2年間の術前矯正治療中に臨床症状を認めず大きさの変化を認めなかったため骨腫が疑われた. 2005年5月31日全身麻酔下に顎矯正手術を施行し同時に腫瘤を摘出した. 腫瘤と周囲洞粘膜および上顎洞壁との癒着は認めず, 摘出は容易に行うことが出来た. 摘出された腫瘤は2個で内1個は6個の骨様硬組織が一塊を成す腫瘤であった. 病理組織診断は骨腫であり現在経過観察中である.
ISSN:0029-0297