B-5. 口腔領域の湿潤療法による創傷治療と従来の治療法の比較検討
近年, 傷を消毒しない, 傷を湿潤環境下で治療する湿潤療法が提唱されている. この療法は生体の細胞成長因子を積極的に利用する治療法で創傷の治癒が従来の治療に比べて早いのが特徴である. 当科の創傷治療は全て湿潤療法に基づいており, 今回過去4年間の全ての創傷治療について, 湿潤療法実施前と湿潤療法実施後の2群に分けて, 術後の治癒不全について比較検討を行った. 対象患者は1歳より96歳まで計733名, 湿潤療法実施前(A群)556例, 湿潤療法実施後(B群)591例で術後, 治癒不全を示した症例はA群52例(10.97%), B群21例(3.55%)であり湿潤療法群が有意に少なかった. 術後の治...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2006, Vol.55 (2), p.148-148 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 近年, 傷を消毒しない, 傷を湿潤環境下で治療する湿潤療法が提唱されている. この療法は生体の細胞成長因子を積極的に利用する治療法で創傷の治癒が従来の治療に比べて早いのが特徴である. 当科の創傷治療は全て湿潤療法に基づいており, 今回過去4年間の全ての創傷治療について, 湿潤療法実施前と湿潤療法実施後の2群に分けて, 術後の治癒不全について比較検討を行った. 対象患者は1歳より96歳まで計733名, 湿潤療法実施前(A群)556例, 湿潤療法実施後(B群)591例で術後, 治癒不全を示した症例はA群52例(10.97%), B群21例(3.55%)であり湿潤療法群が有意に少なかった. 術後の治癒不全や創感染を予防するには創を消毒するよりも洗浄が重要であり, 湿潤療法により生体の治癒能力を最大限に発揮させ治癒を早めることが術後障害を減少させる可能性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0029-0297 |