9. 単胞性嚢胞状腫瘤を呈した顎下部粘表皮癌の1例
粘表皮癌は唾液腺由来の腫瘍であり, 顎下腺に発生することは比較的少ない. 今回われわれは, 顎下部に単胞性の嚢胞状腫瘤を形成し, 診断に苦慮した粘表皮癌の1例を経験したので報告した. 患者は75歳の男性, 右側顎下部の腫脹を主訴に来院した. 右側顎下部に弾性硬で, 一部に波動を触れる鶏卵大の腫瘤を触知した. 画像検査では, 単胞性でni-veau像を呈する嚢胞様病変を認め, 顎下腺や下顎骨下縁と接していた. 類皮あるいは類表皮嚢胞の疑いにて嚢胞摘出術を予定したが, 術中に顎下腺および下顎骨下縁との癒着が強かったため, 予定を変更して顎下部郭清を行った. 病理診断は貯留嚢胞であった. 術後4か月...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2006, Vol.55 (2), p.136-136 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 粘表皮癌は唾液腺由来の腫瘍であり, 顎下腺に発生することは比較的少ない. 今回われわれは, 顎下部に単胞性の嚢胞状腫瘤を形成し, 診断に苦慮した粘表皮癌の1例を経験したので報告した. 患者は75歳の男性, 右側顎下部の腫脹を主訴に来院した. 右側顎下部に弾性硬で, 一部に波動を触れる鶏卵大の腫瘤を触知した. 画像検査では, 単胞性でni-veau像を呈する嚢胞様病変を認め, 顎下腺や下顎骨下縁と接していた. 類皮あるいは類表皮嚢胞の疑いにて嚢胞摘出術を予定したが, 術中に顎下腺および下顎骨下縁との癒着が強かったため, 予定を変更して顎下部郭清を行った. 病理診断は貯留嚢胞であった. 術後4か月後に右側下顎下縁部に再発を認め, 針生検を行ったところ粘表皮癌が最も考えられた. そのため, より広範な右側顎下部郭清, 腫瘍切除(下顎骨区域切除), プレート再建を行った. 術後7か月の現在まで再発なく経過良好である. |
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ISSN: | 0029-0297 |