2-G-13-5 下顎骨に発生した孤立性形質細胞腫の1例
形質細胞腫は多発性に生じることが多く, 孤立性に発生することは少ない. 特に, 下顎骨に発生することは極めて稀である. 今回われわれは右側下顎骨体部に発生した孤立性形質細胞腫の1例を経験したので報告する. 症例:65歳男性. 主訴:右下臼歯部X線透過像の精査依頼. 既往歴:前立腺肥大. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:2003年2月下旬頃, 右下臼歯欠損の治療を目的に近医歯科を受診した. X線検査にて同部にX線透過像を認めたため, 4月4日当科を紹介された. 現症:全身状態良好, 下唇およびオトガイの知覚麻痺はなく, 所属リンパ節の腫大は認めなかった. 口腔内所見でも右下臼歯部の腫脹, 疼痛等...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (4), p.570-570 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 形質細胞腫は多発性に生じることが多く, 孤立性に発生することは少ない. 特に, 下顎骨に発生することは極めて稀である. 今回われわれは右側下顎骨体部に発生した孤立性形質細胞腫の1例を経験したので報告する. 症例:65歳男性. 主訴:右下臼歯部X線透過像の精査依頼. 既往歴:前立腺肥大. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:2003年2月下旬頃, 右下臼歯欠損の治療を目的に近医歯科を受診した. X線検査にて同部にX線透過像を認めたため, 4月4日当科を紹介された. 現症:全身状態良好, 下唇およびオトガイの知覚麻痺はなく, 所属リンパ節の腫大は認めなかった. 口腔内所見でも右下臼歯部の腫脹, 疼痛等は認めなかった. X線所見;右下臼歯部に境界明瞭な類円形のX線透過像を認めた. CT所見では, 右下臼歯部に3×12cmの充実性腫瘍病変を認めた. 臨床検査所見;血液検査で異常値は認めなかった. 尿検査でベンスジョーンズ蛋白は陰性であった. 臨床診断:下顎骨エナメル上皮腫の疑い. 処置および経過:5月13日生検を行い, IgG-λ型の形質細胞腫との病理組織診断を得た. 6月19日下顎区域切除術およびチタンプレートによる下顎骨再建術を施行した. また, 術後照射として, 60Co 46Gyの外部照射を行った. 4月1日下顎骨欠損部に対しチタンメッシュプレートと自家腸骨骨髄海綿骨細片移植による下顎骨再建術を施行した. 現在, 術後1年6か月を経過するも, 再発もなく臨床検査等でも異常を認めない. |
---|---|
ISSN: | 0029-0297 |