1-E-2-2 重篤な基礎疾患を有する口腔癌患者の治療
近年, 医療技術の進歩とともに, 重篤な基礎疾患を有する患者でも長期生存が可能となってきたが, そのためこれら有病者の口腔癌患者に遭遇する機会も増えてきた. 当科では, 以前は重篤な基礎疾患を有する口腔癌患者では放射線治療などの非侵襲的な治療がなされることが多かったが, 最近では基礎疾患の長期生存が期待できると判断される場合には, 根治を目指した積極的な治療を行うようになった. しかし, 実際には有病者口腔癌患者の治療方針の決定には苦慮することも多い. 今回, 当科を受診した口腔癌患者のうち重篤な基礎疾患を有した21例について, retrospectiveに検討を行ったのでその概要を報告する....
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (4), p.534-534 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 医療技術の進歩とともに, 重篤な基礎疾患を有する患者でも長期生存が可能となってきたが, そのためこれら有病者の口腔癌患者に遭遇する機会も増えてきた. 当科では, 以前は重篤な基礎疾患を有する口腔癌患者では放射線治療などの非侵襲的な治療がなされることが多かったが, 最近では基礎疾患の長期生存が期待できると判断される場合には, 根治を目指した積極的な治療を行うようになった. しかし, 実際には有病者口腔癌患者の治療方針の決定には苦慮することも多い. 今回, 当科を受診した口腔癌患者のうち重篤な基礎疾患を有した21例について, retrospectiveに検討を行ったのでその概要を報告する. 対象は1999年-2004年までの期間に当科を受診した口腔癌患者197例中, 治療を行う上で問題となるような重篤な基礎疾患を有した21例(男性:14例, 女性:7例, 平均60.3歳)である. 疾患の内訳は, 内分泌疾患:6例, 精神神経疾患:4例, 心疾患:3例, 血液疾患:3例, 腎疾患:2例, 肝疾患:2例, 精神発達遅滞:1例であった. 原発巣の内訳は舌癌:8例, 頬粘膜癌:2例, 下顎歯肉癌:5例, 口底癌:1例, 上顎軟口蓋癌:2例,口峡咽頭癌:2例, 耳下腺癌:1例であった. 治療法は21例中19例に手術を施行した. 予後は生存11例, 原病死:6例, 他病死:3例, 不明:1例であり, 基礎疾患を有しない口腔癌患者と比較すると不良であったが, 一定の治療成績は得られたものと考えられる. 治療法の選択やインフォームドコンセントの問題点, 手術内容, 術前術後の合併症の予防などについて考察を行う予定である. |
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ISSN: | 0029-0297 |