1-C-2-1 顎変形症手術における局所止血目的のエピネフリンガーゼの有効性に関する臨床的研究
背景:顎顔面領域には微小血管が多く走行しており, 術野が狭く深部である場合には, 手術中の出血に対し止血鉗子のみでは止血が困難な場合がある. 特に出血点が明示できない時には, 希釈したエピネフリンを浸漬した小ガーゼを用いて圧迫する方法が有効とされてきた. しかし, エピネフリンは循環動態に影響を与える作用もあり, 使用上は慎重な注意が必要である. 本研究では口腔外科手術における局所止血法としてエピネフリンガーゼの有効性を検討した. 目的:顎矯正外科手術中出血に対するエピネフリンガーゼの局所止血効果を生食ガーゼと二重盲検法にて比較検討する. 対象:2004年7月から9月の期間に施行した顎矯正手術...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (4), p.527-527 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景:顎顔面領域には微小血管が多く走行しており, 術野が狭く深部である場合には, 手術中の出血に対し止血鉗子のみでは止血が困難な場合がある. 特に出血点が明示できない時には, 希釈したエピネフリンを浸漬した小ガーゼを用いて圧迫する方法が有効とされてきた. しかし, エピネフリンは循環動態に影響を与える作用もあり, 使用上は慎重な注意が必要である. 本研究では口腔外科手術における局所止血法としてエピネフリンガーゼの有効性を検討した. 目的:顎矯正外科手術中出血に対するエピネフリンガーゼの局所止血効果を生食ガーゼと二重盲検法にて比較検討する. 対象:2004年7月から9月の期間に施行した顎矯正手術15例. 方法:顎矯正外科手術時に, 間接介助看護師が4種類の液(A:5000倍エピネフリン, B:10000倍エピネフリン, C:20000倍エピネフリン, 生理食塩水),のうち2種類を任意に選択し, 内容を秘密にして直接介助看護師に渡す. 直接介助看護師はそれぞれの液を浸漬した小ガーゼを準備し, 使用時に任意に選択し執刀医に手渡す. 執刀医は手術時の各ステップで必要に応じてこれらの浸漬ガーゼを局所に使用し, 5分後に止血効果を判定(1:有効, 2:やや有効, 3:無効)する. 一方, 麻酔担当医はガーゼ使用5分後の循環動態への影響を判定(-2:大きく影響, -1:少し影響, 0:不変)する. これらの結果に加えて, ガーゼ使用直前の循環動態, 麻酔深度, 出血量などの因子を含めて統計学的に検討を行った. 結果:局所止血効果については各液間で差は認められなかった. また, 循環動態への影響はエピネフリン濃度に比例した傾向が認められた. |
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ISSN: | 0029-0297 |