1-BM-5-4 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の骨再生における骨芽細胞様細胞への効果について

[目的] bFGFは線維芽細胞のみならず, 創傷治癒に関わる種々の細胞の遊走や増殖を促進することが近年明らかとなってきた. また骨形成に対する効果としてbFGFが骨芽細胞の増殖を促進し, 骨形成促進の可能性が報告されているが, 詳細なメカニズムに関しては不明な点が多い. そこで今回われわれは, 臨床での骨再生療法への応用を検討するためbFGF(科研製薬社製)による骨芽細胞の増殖分化への作用を検討した. [方法] 実験にはマウス前骨芽細胞様細胞であるMC3T3-E1を用いた. 増殖能に関してはMTT assayを用いて評価を行い, 分化への効果に関してはアルカリフォスファターゼ(ALP)酵素活性...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (4), p.466-466
Hauptverfasser: 管野貴浩, 有吉渉, 一宮久之, 新名主耕平, 菅崎紳, 船木勝介, 高野裕史, 高橋哲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[目的] bFGFは線維芽細胞のみならず, 創傷治癒に関わる種々の細胞の遊走や増殖を促進することが近年明らかとなってきた. また骨形成に対する効果としてbFGFが骨芽細胞の増殖を促進し, 骨形成促進の可能性が報告されているが, 詳細なメカニズムに関しては不明な点が多い. そこで今回われわれは, 臨床での骨再生療法への応用を検討するためbFGF(科研製薬社製)による骨芽細胞の増殖分化への作用を検討した. [方法] 実験にはマウス前骨芽細胞様細胞であるMC3T3-E1を用いた. 増殖能に関してはMTT assayを用いて評価を行い, 分化への効果に関してはアルカリフォスファターゼ(ALP)酵素活性および, RT-PCR法を用いて骨芽細胞分化に必須な転写因子であるRunx2, 後期分化マーカーであるオステオカルシン(OC)のmRNAレベルでの発現に関して検索を行った. また, in vitroにおける骨形成能に関し, bFGF投与4週間にてVon Kossa染色を用いて評価を行った. [結果] bFGF投与により, 骨芽細胞様細胞は濃度依存的に増殖活性を高めた. 一方, Runx2, OCのmRNA発現は濃度依存的に発現を高めたが, ALP酵素活性は濃度依存的にその活性値の著しい減弱を認めた. in vitroにおける骨形成能に関しては, bFGFを連続投与したところ濃度依存的に著しく骨形成を阻害した. [考察] 本研究より, bFGFは前骨芽細胞の増殖を有意に高めるが, 分化に関しては転写因子Runx2, OCのmRNAの発現を増強することから促進に作用する可能性が示唆されるが, ALPの酵素活性を著しく減弱し, このことが最終的な骨形成阻害に関与するのではないかと考えられた. これは, これまでのin vivoにおけるいくつかの報告を支持するものであり, 現在分化骨形成に関して更なるメカニズムの解析を行っている.
ISSN:0029-0297