18. 口腔扁平苔癬に対するタクロリムス軟膏の有用性の検討

口腔扁平苔癬は, 角化異常を伴う慢性炎症性疾患である. 治療には種々の薬剤が使用されるが, 難治例も少なくない. われわれは, ステロイド外用に抵抗性を示した口腔扁平苔癬に対して, 免疫抑制剤であるタクロリムス軟膏を使用しその有用性を検討したので報告する. 症例は生検にて口腔扁平苔癬と診断された5例で, 55-83歳の男性2人, 女性3人であった. 発症部位は, 口唇, 舌, 頬粘膜, 口蓋で, いずれもびらん形成による疼痛を認めた. 4週間の軟膏塗布による, 自覚症状および他覚所見の改善, 血中濃度, 副作用の有無について評価した. 5例中, 4例が著効, 1例が有効と判定したが, 3例に再...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (3), p.399-399
Hauptverfasser: 虫賀雄一郎, 日野聡史, 新谷悟, 浜川裕之, 寺門永顕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:口腔扁平苔癬は, 角化異常を伴う慢性炎症性疾患である. 治療には種々の薬剤が使用されるが, 難治例も少なくない. われわれは, ステロイド外用に抵抗性を示した口腔扁平苔癬に対して, 免疫抑制剤であるタクロリムス軟膏を使用しその有用性を検討したので報告する. 症例は生検にて口腔扁平苔癬と診断された5例で, 55-83歳の男性2人, 女性3人であった. 発症部位は, 口唇, 舌, 頬粘膜, 口蓋で, いずれもびらん形成による疼痛を認めた. 4週間の軟膏塗布による, 自覚症状および他覚所見の改善, 血中濃度, 副作用の有無について評価した. 5例中, 4例が著効, 1例が有効と判定したが, 3例に再発を認めた. 最高血中濃度は1.95ng/mlで, 副作用として塗布後に一時的な局所熱感を認めたが, 全身性の重篤な症状は認めなかった. タクロリムス軟膏は, 口腔扁平苔癬の治療に有効であるが, 塗布期間など, さらなる検討が必要であると考えられた.
ISSN:0029-0297