2-J-3-2 ラットのオトガイ舌骨筋一次求心線維の副交感神経節後ニューロンへの入力様式

ラットのオトガイ舌骨筋は嚥下などに関わる体性運動神経に加えて, 副交感神経による遠心性支配を受ける(Exp. Brain Res. 2003). また, 免疫組織化学染色による光学顕微鏡下の観察では, vasoactive intestinal peptide(VIP)陽性を示す副交感神経節後ニューロンの周囲に, サブスタンスP(SP)陽性を示す一次求心線維の終末が観察されたことから, オトガイ舌骨筋一次求心線維からの感覚情報は, 副交感神経節後ニューロンの活動をmodulateしていることが示唆されている. 本研究では, 副交感神経節後ニューロンの超微細構造を観察すると共に, SPが副交感神...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.193-193
Hauptverfasser: 杉浦真貴, 安田浩一, 森 亮太, 中山洋子, 田中 晋, 小野裕輔, 古澤清文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:ラットのオトガイ舌骨筋は嚥下などに関わる体性運動神経に加えて, 副交感神経による遠心性支配を受ける(Exp. Brain Res. 2003). また, 免疫組織化学染色による光学顕微鏡下の観察では, vasoactive intestinal peptide(VIP)陽性を示す副交感神経節後ニューロンの周囲に, サブスタンスP(SP)陽性を示す一次求心線維の終末が観察されたことから, オトガイ舌骨筋一次求心線維からの感覚情報は, 副交感神経節後ニューロンの活動をmodulateしていることが示唆されている. 本研究では, 副交感神経節後ニューロンの超微細構造を観察すると共に, SPが副交感神経節後ニューロンの活動に与える影響について電気生理学的な検討を加えた. 実験にはWistar系ラットを用いた. 1)電子顕微鏡学的検討;オトガイ舌骨筋に分布する神経枝を含む舌下神経幹を摘出, 固定後, マイクロスライサーにて連続切片を作製した. 一次抗体として抗SP抗体(一次求心線維標識)と抗VIP抗体(副交感神経節後ニューロン標識)を用いた一連の免疫組織化学反応を行い, エポン樹脂包埋後, 超薄切片を作製し電子顕微鏡にて観察した. その結果, SP陽性軸索終末とVIP陽性の細胞体とのシナプス接合様構造が観察された. 2)電気生理学的検討:In vitroで副交感神経節後ニューロンからの神経放電を導出(Exp. Brain Res. 2003)し, SPあるいNK1受容体拮抗薬(GR82334)の投与による神経放電の変化について検討した. その結果SPによって神経放電数は増加し, GR82334によってSPの作用はblockされた. これらより, オトガイ舌骨筋一次求心線維は同筋を支配する副交感神経節後ニューロンに入力していることが明らかとなるとともに, その神経伝達にはSPが関与していることが示された.
ISSN:0029-0297