1-J-6-3 Gerstmann-Straussler-Scheinker症候群患者の抜歯経験
Gerstmann-Straussler-Scheinker症候群(以下, GSS)は, 遺伝性プリオン病の一種であり, 異常プリオン蛋白が病原物質と考えられている非常にまれな症候群である. その臨床像は, 異常プリオン蛋白が脳神経細胞に蓄積されることにより, 痴呆と, 小脳失調が緩徐に進行し, 10年近い経過をたどって死に至るといわれる. プリオン病の1つにはCreutzfelt-Jakob病(以下, CJD)があり, 感染性を有することが報告され, 厚生労働省のCJD感染予防ガイドラインも発表されている. GSSの感染性については, 報告されていないが, GSSの歯科治療の際にはCJD感染...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.192-193 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Gerstmann-Straussler-Scheinker症候群(以下, GSS)は, 遺伝性プリオン病の一種であり, 異常プリオン蛋白が病原物質と考えられている非常にまれな症候群である. その臨床像は, 異常プリオン蛋白が脳神経細胞に蓄積されることにより, 痴呆と, 小脳失調が緩徐に進行し, 10年近い経過をたどって死に至るといわれる. プリオン病の1つにはCreutzfelt-Jakob病(以下, CJD)があり, 感染性を有することが報告され, 厚生労働省のCJD感染予防ガイドラインも発表されている. GSSの感染性については, 報告されていないが, GSSの歯科治療の際にはCJD感染予防ガイドラインに沿った十分な感染対策が必要と思われる. 今回, われわれは, GSSを有する患者の抜歯を経験したので, その概要を報告した. 【症例】:70歳, 男性. 主訴:右上顎大臼歯部の疼痛. 初診:2003年7月31日. 現病歴:2003年7月, 当院神経内科に入院中に右上顎大臼歯部の疼痛を認めたため, 当科を紹介され受診した. 既往歴:2003年7月, 歩行障害と構音障害のため当院神経内科へ入院し, GSSと診断された. 30年前より糖尿病および高血圧症にて内服薬加療を行っている. 家族歴:姉の娘がGSS. 弟がアルツハイマー病で68歳時に死亡. 臨床診断:右上顎第一および第二大臼歯の重度辺縁性歯周炎. 処置ならびに経過:8月5日, 当院特殊歯科総合治療部で感染症扱いのもと, 局所麻酔下に両歯牙の抜歯を行った. |
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ISSN: | 0029-0297 |