2-I-2-3 耳下腺導管拡張を認めた耳下腺炎の検討

耳下腺導管拡張の原因として先天異常, 唾石, 咬筋による物理的障害, 耳下腺乳頭部の狭窄などの要因が述べられているが, いまだ不明な点が多い. 一方, その臨床症状としては再発性耳下腺炎の病態を呈するとされているが, 病態についても不明な点が多くまた治療について確立したものはない. 今回, 耳下腺炎の病態を認め, 耳下腺導管拡張を認めた15例について, 臨床病態, 画像診断所見, 治療法などについてretrospectiveに検討したので報告する. 対象は7~73歳, 性別は男性7名, 女性8名と性差はなかった. 主訴は耳下腺の腫脹11例であった. 症状初発より来院までの期間は1日から3年で,...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.185-185
Hauptverfasser: 米山紘子, 浅田洗一, 野上喜史, 寺田知加, 宮里若野, 佐藤千佳, 栃原しほみ, 山近重生, 石橋克禮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:耳下腺導管拡張の原因として先天異常, 唾石, 咬筋による物理的障害, 耳下腺乳頭部の狭窄などの要因が述べられているが, いまだ不明な点が多い. 一方, その臨床症状としては再発性耳下腺炎の病態を呈するとされているが, 病態についても不明な点が多くまた治療について確立したものはない. 今回, 耳下腺炎の病態を認め, 耳下腺導管拡張を認めた15例について, 臨床病態, 画像診断所見, 治療法などについてretrospectiveに検討したので報告する. 対象は7~73歳, 性別は男性7名, 女性8名と性差はなかった. 主訴は耳下腺の腫脹11例であった. 症状初発より来院までの期間は1日から3年で, 約1か月で来院したものが多かった. 来院時の症状としては, 耳下腺部の腫脹や圧痛などの炎症症状が多く, 再発を繰り返した症例は4例みられ, 症状を認めたのは片側性が多かった. 患側耳下腺開口部より, 唾液の分泌を認めたもの11例で, 排膿を認めたもの4例であった. 造影所見として導管全体の拡張を認めるもの3例, 導管の拡張に数珠玉状の狭窄を伴うもの8例みられ, 腺房の点状陰影像を伴うものは3例にみられた. 治療法は抗菌剤などの投与8例, ブジーを施行したもの4例であった. 経過については6日から約5年まで観察し, 再発を繰り返したものもみられた.
ISSN:0029-0297