1-I-3-1 ヒト多血小板血漿の成長因子の生化学的検索
多血小板血漿(PRP)は自己由来の血液から得られうる濃縮された血漿である. PRPは自己由来であることから, 無毒性かつ非免疫性で, 多数の成長因子が含有されていることが明らかにされている. 最近では, 骨再生手術のみならず, インプラントや歯周外科処置にも応用され, PRPの適応が拡大してきた. 血小板中には各種の成長因子が含有していることが知られているが, その成長因子の動態や含有量については明らかにはされていない. そこで今回, 私たちは健常な成人ボランティア男性20人(24歳~29歳, 平均年齢26.8歳)を対象とし, ハーベスト社製スマートプレップ2を用いて多血小板血漿(PRP)と乏...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.177-177 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 多血小板血漿(PRP)は自己由来の血液から得られうる濃縮された血漿である. PRPは自己由来であることから, 無毒性かつ非免疫性で, 多数の成長因子が含有されていることが明らかにされている. 最近では, 骨再生手術のみならず, インプラントや歯周外科処置にも応用され, PRPの適応が拡大してきた. 血小板中には各種の成長因子が含有していることが知られているが, その成長因子の動態や含有量については明らかにはされていない. そこで今回, 私たちは健常な成人ボランティア男性20人(24歳~29歳, 平均年齢26.8歳)を対象とし, ハーベスト社製スマートプレップ2を用いて多血小板血漿(PRP)と乏血小板血漿(PPP)および自己トトロンビンを分離作製した. 検体はPRP, PPPおよびPRP自己トロンビンを加え, 血小板を活性化させたもの(PRPT)の3検体とした. PRP, PRPTおよびPPPに含有されている5種類の成長因子の含有量を抗TGF-β抗体, 抗IGF抗体, 抗bFGF抗体, 抗PDGF抗体および抗EGF抗体を用いて, 3日間経日的に生化学的にELISA法にて測定した. PRPには, 生理的活性物質TGF-β, IGF, bFGF, PDGFおよびEGFが濃縮含有されていることがあきらかになった. 今回の検討ではEGFおよびIGFが早期に高濃度を示したことから, PRPおよびPRPTは早期の創傷治癒に有効であることが考えられ, bFGFやTGF-βは経日的にも高濃度を保つことから, 顎骨再生に有用な補助療法であることが示唆された. |
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ISSN: | 0029-0297 |