2-D-4-1 C型肝炎症例の口腔内からのウイルス検出について

C型肝炎ウィルス(HCV)は, 血液を介して感染することが知られている. そのため, HCVキャリアの歯科治療, 特に観血的処置などにおいては十分な院内感染予防策が求められている. また歯科診療において日常的に取り扱う唾液, 歯肉溝滲出液等の血液以外の患者体液についても, HCVの存在を指摘する報告はあるが, 血中レベルに比べどの程度のウィルス量が存在するのか, など十分に解析されていない. そこで今回我々は, HCV抗体陽性者の血液, 唾液, 歯肉溝溶出液を採取し, 各試料中のHCV遺伝子を定量した. 【対象, 方法】HCV抗体陽性者について, 十分なインフォームドコンセントに基づき, 血清...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.147-147
Hauptverfasser: 小俣和彦, 鈴木哲朗, 佐藤田鶴子, 宮坂孝弘, 前田宗宏, 荒井千明, 松野智宣, 北原和樹, 宮井崇宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:C型肝炎ウィルス(HCV)は, 血液を介して感染することが知られている. そのため, HCVキャリアの歯科治療, 特に観血的処置などにおいては十分な院内感染予防策が求められている. また歯科診療において日常的に取り扱う唾液, 歯肉溝滲出液等の血液以外の患者体液についても, HCVの存在を指摘する報告はあるが, 血中レベルに比べどの程度のウィルス量が存在するのか, など十分に解析されていない. そこで今回我々は, HCV抗体陽性者の血液, 唾液, 歯肉溝溶出液を採取し, 各試料中のHCV遺伝子を定量した. 【対象, 方法】HCV抗体陽性者について, 十分なインフォームドコンセントに基づき, 血清, 全唾液, 及び歯肉溝滲出液を採取した. TaqManChemistrySystem(AppliedBiosystems)を用いたリアルタイムRT-PCR法によりHCV-RNAを定量的に測定した. 【結果】血清中のHCV-RNAが陽性であった20例においては, 全例で歯肉溝滲出液中にHCV-RNAが検出された. また, 唾液中の陽性率は60%(12例)であった. また, 血中HCVレベルが中程度あるいはそれ以上(100000~1000000 copies/mL)の症例群では, 唾液中に100~1000歯肉溝滲出液中に10000~100000copies/mL程度のHCVを観察した. C型肝炎患者の口腔内リンパ球あるいは歯肉溝上皮細胞にHCVが存在する可能性が示唆された.
ISSN:0029-0297