2-F-7-4 特発性顔面神経麻痺(Bell麻痺)17症例の臨床的検討

1990年から2003年までの13年間に石川県立中央病院歯科口腔外科で特発性顔面神経麻痺17症例に対して治療を行い良好な結果が得られたのでその概要を報告した. 対象は男性8症例, 女性9症例で性差は認められなかった. 発症年齢は, 最年少は17歳の女性で, 最高齢は68歳の女性であった. 年齢分布では, 40歳未満と50歳以上の2峰性が認められた. 発症した月別症例数では, 秋から冬季への季節の変わり目に若干多い傾向が認められた. 全例, 水痘, 帯状疱疹ウイルスの抗体価の時間的推移を測定したが, ウイルスの存在が示された症例は認められなかった. 顔面神経麻痺の程度の判定にはMark Mayの...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.140-140
Hauptverfasser: 岡部孝一, 宮田 勝, 鈴木 円, 高木純一郎, 名倉 功, 坂下英明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1990年から2003年までの13年間に石川県立中央病院歯科口腔外科で特発性顔面神経麻痺17症例に対して治療を行い良好な結果が得られたのでその概要を報告した. 対象は男性8症例, 女性9症例で性差は認められなかった. 発症年齢は, 最年少は17歳の女性で, 最高齢は68歳の女性であった. 年齢分布では, 40歳未満と50歳以上の2峰性が認められた. 発症した月別症例数では, 秋から冬季への季節の変わり目に若干多い傾向が認められた. 全例, 水痘, 帯状疱疹ウイルスの抗体価の時間的推移を測定したが, ウイルスの存在が示された症例は認められなかった. 顔面神経麻痺の程度の判定にはMark Mayの顔面神経麻痺運動機能判定法を用いた. 治療法に関しては, 全例Stennert改良法に準じてステロイド大量点滴療法を行った. 星状神経節ブロックは15症例に対して施行した. 平均施行回数は15.1回であった. 17例中15例(88.2%)で完全消失が認められた. 重篤な副作用は認められなかった. 初発症状出現から当科来科までの日数と予後との関連は認められなかった. また, 年齢と予後との有意な相関は認められなかったが, 完全消失が得られなかった2症例は, 高年齢のグループであった. 初診時の重症度と予後との有意な相関は認められなかったものの, 完全消失が得られなかった2症例は高度麻痺症例であった. 以上, 高年齢, 重症例で予後不良となる傾向であった.
ISSN:0029-0297