2-F-7-2 歯性感染が原因と考えられた敗血症性肺塞栓の1例
敗血症性肺塞栓は, 敗血症に合併する肺病変である. 原因として, 感染性心内膜炎と血栓性静脈炎が主に考えられる. 歯性感染症が原因と考えられる敗血症性肺塞栓の報告は散見されるにすぎない. 今回われわれは, 歯性感染症が原因と考えられる敗血症性肺塞栓を経験したのでその概要に文献的考察を加え報告する. 症例:39歳, 男性. 初診:平成14年6月12日. 主訴:歯肉の腫脹, 疼痛. 現病歴:以前より歯肉の腫脹を繰り返していた. 6月初旬より腫脹, 疼痛が増大したため当科受診となった. 現症:(口腔内所見)上顎前歯部唇側歯肉の腫脹, 圧痛が認められた. パノラマX線写真にて全顎的に歯槽骨の吸収が認め...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.139-140 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 敗血症性肺塞栓は, 敗血症に合併する肺病変である. 原因として, 感染性心内膜炎と血栓性静脈炎が主に考えられる. 歯性感染症が原因と考えられる敗血症性肺塞栓の報告は散見されるにすぎない. 今回われわれは, 歯性感染症が原因と考えられる敗血症性肺塞栓を経験したのでその概要に文献的考察を加え報告する. 症例:39歳, 男性. 初診:平成14年6月12日. 主訴:歯肉の腫脹, 疼痛. 現病歴:以前より歯肉の腫脹を繰り返していた. 6月初旬より腫脹, 疼痛が増大したため当科受診となった. 現症:(口腔内所見)上顎前歯部唇側歯肉の腫脹, 圧痛が認められた. パノラマX線写真にて全顎的に歯槽骨の吸収が認められた. 臨床診断:急性歯周膿瘍. 処置及び経過:消炎療法後, 歯周病の治療を行い経過観察中であったが, 平成15年6月20日に歯肉の腫脹と疼痛が出現, 22日に悪寒, 発熱, 23日に右上胸部痛, 24日に左側背部痛が出現した. 胸部CT上多発性の結節影を認め, 抗生剤内服によっても炎症反応の改善が緩徐なため内科に入院となり, 全身検索するが原因が判明せず歯性感染を疑い当科対診となった. 精査にて|67が感染源と疑われたため, 7月9日に抜歯を施行した. その後症状も改善し退院となった. 現在, 敗血症肺塞栓の再発も無く, 経過観察中である. |
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ISSN: | 0029-0297 |