2-C-2-1 PRPを用いた脛骨自家骨移植により顎堤再建を行った1例

インプラント治療において, 顎堤部の骨量問題に直面する機会は多く, 補綴学的, 審美学的に理想と考える位置に埋入するための骨増生が必要となる症例は多い. 一般に自家骨移植が頻用されているが, 広範囲な骨欠損例などでは手術侵襲が大きく, 術後の機能障害などの問題点が指摘されている. こうした問題点を克服すべく, 当講座ならびに関連施設では脛骨からの骨採取による顎堤再建を行っている. 今回われわれは嚢胞摘出後の高度骨欠損例に対し, PRPを用いた脛骨自家骨移植による顎堤再建を行ったところ, 良好な結果を得たので概要を報告する. 患者は50歳男性で, 右側下顎臼歯部の違和感を主訴に2002年9月21...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.127-128
Hauptverfasser: 竹田 愛, 伊藤あづさ, 山崎一朗, 野瀬利政, 中野雅哉, 今井隆生, 鍋島弘充, 栗田賢一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:インプラント治療において, 顎堤部の骨量問題に直面する機会は多く, 補綴学的, 審美学的に理想と考える位置に埋入するための骨増生が必要となる症例は多い. 一般に自家骨移植が頻用されているが, 広範囲な骨欠損例などでは手術侵襲が大きく, 術後の機能障害などの問題点が指摘されている. こうした問題点を克服すべく, 当講座ならびに関連施設では脛骨からの骨採取による顎堤再建を行っている. 今回われわれは嚢胞摘出後の高度骨欠損例に対し, PRPを用いた脛骨自家骨移植による顎堤再建を行ったところ, 良好な結果を得たので概要を報告する. 患者は50歳男性で, 右側下顎臼歯部の違和感を主訴に2002年9月21日来科した. 右側下顎歯肉部に軽度腫脹, 圧痛がみられ, 回転パノラマX線ならびにCT所見にて嚢胞様透過像を認めたため, 10月11日全身麻酔下にて摘出術を施行した. 術後経過は良好で, 義歯による補綴処置を行ったものの不快感が強く, インプラント治療を希望されるに至った. しかし, 顎堤部の著しい骨欠損から顎堤再建が必要と判断, 12月11日静脈内鎮静法ならびに脛骨周囲浸潤麻酔の併用下にて, PRPを用いた脛骨自家骨移植を施行した. 脛骨から採取したPCBMをチタン製メッシュ内に適量を積め, 設定した位置に固定し創部を閉鎖した. チタン製メッシュ除去時には, インプラント埋入に必要な顎堤部骨量が十分に得られており経過良好である.
ISSN:0029-0297