1-G-6-3 新規抗Fas抗体HFE7Aの悪性黒色腫細胞に対する効果

アポトーシスを誘導する従来の抗Fas抗体は, 重篤な肝障害をはじめとする様々な副作用を有し, 医薬としての応用への課題とされている. mHFE7Aは新規のマウス抗ヒトFas抗体であり, 従来の抗Fas抗体にみられる副作用を惹起せず, 慢性関節リウマチなど自己免疫疾患に対する有用性が報告されている. しかし, 悪性腫瘍に対する効果は未だ明らかでなく, 今回, われわれは悪性黒色腫細胞株に対するmHFE7Aの効果についてin vitroで検討を行った. 【実験材料】細胞株:ヒト悪性黒色腫細胞株MMN9. 抗Fas抗体:mHFE7A, CH-11. 二次抗体:ヤギ抗マウスIg's. 【実験...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.104-105
Hauptverfasser: 平本憲一, 乾眞登可, 亀井貴彦, 中村真之介, 加田加乃, 柳瀬成章, 平岡 大, 田川俊郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:アポトーシスを誘導する従来の抗Fas抗体は, 重篤な肝障害をはじめとする様々な副作用を有し, 医薬としての応用への課題とされている. mHFE7Aは新規のマウス抗ヒトFas抗体であり, 従来の抗Fas抗体にみられる副作用を惹起せず, 慢性関節リウマチなど自己免疫疾患に対する有用性が報告されている. しかし, 悪性腫瘍に対する効果は未だ明らかでなく, 今回, われわれは悪性黒色腫細胞株に対するmHFE7Aの効果についてin vitroで検討を行った. 【実験材料】細胞株:ヒト悪性黒色腫細胞株MMN9. 抗Fas抗体:mHFE7A, CH-11. 二次抗体:ヤギ抗マウスIg's. 【実験方法】mHFE7Aによる抗腫瘍効果(cross-link法およびplate cross-link法):MTT assay. アポトーシスの検討:アガロースゲル電気泳動. アポトーシス関連タンパクの発現:western blotting. 【結果】mHFE7Aの抗腫瘍効果:mHFE7A 1μg/mlで13~26%, 5μg/mlで20~35%の抗腫瘍効果を示し, 濃度依存性に効果の増強を認めた. また, cross-link法に比べplate cross-link法で有意に高い効果を認めた. 同一濃度でCH-11よりも抗腫瘍効果は劣っていたが, CH-11による効果との間に有意な差はなかった. アガロースゲル電気泳動:mHFE7A作用群でDNAラダーパターンが検出され, アポトーシスの誘導を確認した. アポトーシス関連タンパクの発現:mHFE7A作用後, p53タンパクの発現減少, およびFLIP S/Lの発現増加を認めた. また, bcl-2, bcl-xLおよびbakに大きな変化はなかったが, baxで発現が減少していた. 【考察】mHFE7Aは単独では充分な抗腫瘍効果はみられなかった. これはmHFE7Aの作用によるp53およびbaxの発現減少, FLIP S/Lの発現増加が一因と考えられた.
ISSN:0029-0297