2-C-8-3 下顎骨に発生した類腱線維腫の1例
顎骨中心性に発生する線維腫の多くは歯原性由来であり, 間葉型腫瘍である類腱線維腫の口腔領域における発生はきわめてまれとされている. 今回我々は左側下顎骨に発生した類腱線維腫を経験したのでその概要を報告する. 患者は24歳女性で平成12年3月13日近医にて左側下顎臼歯部に嚢胞様病変を指摘され紹介初診した. 初診時所見は左側下顎臼歯頬側に軽度の膨隆みとめるものの粘膜は正常であった. レントゲン所見として「67歯根を含む辺縁不整な35×20mm大の透過性病変をみとめた. 臨床診断をエナメル上皮腫とし, 平成12年5月17日開窓術施行した. 術後の病理診断にて類腱線維腫と確定した. 以後外来にて定期的...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.99-99 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 顎骨中心性に発生する線維腫の多くは歯原性由来であり, 間葉型腫瘍である類腱線維腫の口腔領域における発生はきわめてまれとされている. 今回我々は左側下顎骨に発生した類腱線維腫を経験したのでその概要を報告する. 患者は24歳女性で平成12年3月13日近医にて左側下顎臼歯部に嚢胞様病変を指摘され紹介初診した. 初診時所見は左側下顎臼歯頬側に軽度の膨隆みとめるものの粘膜は正常であった. レントゲン所見として「67歯根を含む辺縁不整な35×20mm大の透過性病変をみとめた. 臨床診断をエナメル上皮腫とし, 平成12年5月17日開窓術施行した. 術後の病理診断にて類腱線維腫と確定した. 以後外来にて定期的経過観察予定するも, 海外留学のため通院不可となる. 平成15年6月留学先にて腫瘍再発の指摘受け, 8月再診. 「4より下顎角部に泡沫状の透過性病変をみとめた. 9月3日全身麻酔下に腫瘍切除, 下顎骨離断術, 白家腸骨およびチタンプレートによる下顎即時再建術を施行した. 本疾患は遠隔転移のない良性腫瘍とされるものの, 高い局所浸潤および再発率が報告されている. 自験例では一次処置にて腫瘍摘出, 周囲骨掻爬を行ったものの, 術後25か月にて再発をみとめた. 今後もひきつづき経過観察を行う予定である. |
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ISSN: | 0029-0297 |